2006年11月09日

[Book] 国語入試問題必勝法

国語入試問題必勝法国語入試問題必勝法
清水 義範


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

収録作品は「猿蟹合戦とは何か」「国語入試問題必勝法」「時代食堂の特別料理」「靄の中の終章」「ブガロンチョのルノアール風マルケロ酒煮」「人間の風景」。

有名な表題作は、著者は
「受験参考書と間違えて買った人ごめんなさい。ここに書かれていることを信じて受験に臨んではいけません」
と解説してますが、中に出てくる「****の法則」はホントに有効なんじゃないの?と思ってしまう出来。
「問 主人公寿賀子は(略)を考えたか。六字以内でまとめよ」の回答はサイコーです。

「猿蟹合戦とは何か」は丸谷才一のパロディ、という点ではよくできてますが、

面白さという点では「ブガロンチョのルノアール風マルケロ酒煮」は傑作。というか僕の好み。
コンセプトはタモリの「ハナモコシのシェネ地中海風」にも通じるものがありますが、料理の合間に紹介される食にまつわる様々な逸話がどれも秀逸。「ザクセンのさんま」のくだりはサイコーです。

「時代食堂の特別料理」は同じく料理をテーマにした作品ですが、「ブガロンチョの…」とは全く雰囲気の異なる、しみじみとしたセピア色の雰囲気の小説。「食」とは?を考えさせる佳作。
雰囲気は違えど、「ブガロンチョの…」も「時代食堂の…」も同じテーマを角度を変えて描いたもの、というふうにも思えます。

「靄の中の終章」は今で言う認知症が急速に進む老人の一人称で展開する悲愴感に溢れた作品。
読んでて非常に辛いんだけれどもぐいぐい引き込まれました。

「人間の風景」は素人の老人4人が書いた連作小説を(一応)プロの小説家が読んで批評する、という内容。
4人の以前の職業が反映されていて面白いのですが、「隊長が兵隊に『番号』をかける」で原稿用紙の枚数をかせぎまくるくだりはサイコーです。

それにしても上手いなあ、というのが全編を通しての感想。

Posted by hide at 2006年11月09日 23:25 | TrackBack
Comments

> それにしても上手いなあ、というのが全編を通しての感想。

思うに、それが清水義範のつまらない点でもある気もするんですわ。左脳的文章と言うか。
ああ、考えて書いてるなあってのがちょっと鼻につく。

とか言いながら「バールのようなもの」とか「ジャンケン入門」も結局持ってる俺ですが。

Posted by: おかもと at 2006年11月12日 01:08

なるほど、ちょっとわかる気もしますな。

とか言いながら「ムイミダス」なんか買っちゃったりしてる僕です。

Posted by: hide at 2006年11月26日 23:57
Post a comment









Remember personal info?