2008年09月09日

[Book] イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
クレイトン・クリステンセン

翔泳社 2001-07
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既存の市場で実績ある大企業が、「破壊的技術」への対応を誤り、その地位を失う場合がある。様々な業界の事例を検証して抽出した共通点から、原因と対策を論じる。

…なーんて要約は今更不要ですね。読み始めてから三ヶ月以上かかってようやく読了しました。

まず代表的な事例の具体的なデータから抽象化したパターンを導き出し、全く別の業界での事例に照らし合わせて検証…というきっちりした論理展開で話が進められる。つまり、単に著者の思いつき(あるいは思い込み)をつらつら書いてみました、という本(最近の新書によくある)とは次元が違う。

初版が出たのが1997年と10年以上前なのだが、本書は「今でも充分通用する」どころか「今後ますます必要になりそう」な考え方が数多く示されており、その輝きは些かも色褪せていない。

…みたいな感想もレビューによくあるので省略。

ごく個人的に、企業の属する研究者・技術者として参考になったのは、

・「破壊的技術」に基づく製品の特徴は、低コスト、低機能・性能、高信頼性、低利益率である。
→これらの条件に該当しないものは破壊的技術たりえない可能性が高い。

・「破壊的技術」を主要顧客・既存市場に投入しようとすると、うまくいかない。
→主要でない、あるいは新しい顧客・市場を探す必要がある。

・「破壊的技術」を既存の主要製品の事業と同様のプロセス・フレームワークで処理すると、うまくいかない。
→主要事業とは別の組織により別のプロセスで事業を立ち上げる必要がある。

・「破壊的技術」がどの市場で受け入れられるかを分析・予測するのは不可能。
→特定市場に全力を投じるのではなく、様々な市場に挑戦することを予め計画しておくべきである。

などなど。

こういうのって、誰しも皆なんとなく「そういうことあるよねー」とは思ってても、自分で最初から最後まで論理を組み立てたり、事例研究して実証したり…ってのは難しいもの。それを、これだけの緻密な分析と隙のない論述で説明されると、「なるほど、やっぱりそういうことか」と納得させられるとともに、実際の業務の一場面において「ということは、今ここではこうすべき」と判断する際の一つの拠り所にもなります。

ま、一番大事なのは人より先に「破壊的技術」を生み出す(見つけ出す)ことなんですが、これが難しいのよねー。

Posted by hide at 2008年09月09日 23:43 | TrackBack
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