October 27, 2003

オフショア開発

「タイトなスケジュールのもと、開発基盤となるフレームワークの整備やプログラム部品の活用に関する体制が整わないまま中国の提携ソフト会社に外注した。結果、テスト時にパフォーマンスが極端に低いことが分かり、日本の本社内で最初から作り直すことになってしまった」(広報)


別にオフショア開発が失敗したんじゃなくって、最初から国内で開発やってても失敗したんでは? そもそも人件費ベースでしかソフトウェア開発を考えないからこうなるんであって、本当にコスト削減をしたい場合は、ちゃんとしたスキルのあるエンジニアを集めて少数精鋭ですべきだと思う。どうでもいいエンジニアを数集めれば開発を乗り切れる、という発想自体が間違ってる。
例えば1人月100万円で50人月の仕事を受けたときに、これを1人月60万円のエンジニアを10人で5ヶ月でこなせば利益が、、、なんて発想にするからダメなんだ。それよりも人月200万円のエンジニア3人でなんとか回せないか?とか、人月150万のエンジニア10人で3ヶ月で、とかって発想できれば結果は違ってたと思うのだが、どうなんだろう? もちろん、そもそも人月という考え方がダメなんだ、というご意見をもたれる諸賢もいらっしゃるかとは思いますが、これが日本の開発(特にぼくのところのようなソフトウェア開発請負)の現状ですから。

でも、日本の開発プロジェクトの考え方ってのが、人をできるだけ大勢養った(つまりそれだけの仕事を作った、あるいはそれだけの人を食わせた)方が評価される、ってのも間違いなんだけどね。同じ売上だとすると、1人で高付加価値なアウトプットを出すよりも、普通のアウトプットでいいから少しでも大勢に仕事を与えた方が評価が高い、というのも結局日本の企業(特に大企業、あるいは大企業グループ)というのは、人海戦術ベースなビジネスモデルでしかない、ということか。人海戦術、という発想、嫌いです。要員は全て同じ能力で、誰がやっても同じ、均質的な能力、スキルの人材がいっぱいいるという前提はソフトウェア開発という分野には本当に向いていないと思います。
10人のエンジニアがいて、それぞれの能力が1〜10まで10段階にあるとする(トップのスキルを10とする)。このチームでソフトウェアを作るとどうなるか、見積もり的にはスキル5レベルのエンジニアが10人いるとして見積もりを立てる。しかし出てくるのは、レベル1の品質のソフトウェアでしかない。おそらく、レベル1〜4ぐらいのエンジニアが担当した部分というのは使い物にならなくて、レベル10〜8ぐらいのエンジニアが自分の担当分を終えた跡に、もう一度彼らの代わりに作り直すことになるのでしょう。じゃぁ、なぜ、そのレベル1〜4のエンジニアを首にしないか? できないんだよなぁ。。。
それとよく言われるのが、1.5流のエンジニア100人が束になっても1流のエンジニア1人には及ばない、というのもソフトウェアに特殊な性質でしょう。
こんなに特殊な性質を持ったプロダクトを作るんだから、工業製品のメタファはさっさと捨てようよ。


Posted by money at October 27, 2003 2:42 AM | TrackBack
Similarly Feeds
Comments

あ〜、どもどもです。
帰国の際はご一報しまっす :)

Posted by: ケイ at November 1, 2003 4:08 AM

よろこんで!(やるき茶屋風)
帰国の折にはぜひご一報ください。

Posted by: money at October 28, 2003 11:23 PM

そうですね、次回日本に帰ったときに時間があれば、ぜひ。居酒屋所望です :)

Posted by: ケイ at October 28, 2003 2:41 AM

アウトソーシングと言えば聞こえがいいし、現に同じように、開発の本拠地を同じくインドに抱えるベンダの事例もあるので一概にこのモデルを否定するつもりはありません。(おっしゃるように、脅威であるという点は同意)。ただ、このニュースの例で言うと、「本当にアウトソーシング?丸投げでしょ?」という思いがあります。僕は日本における技術力の空洞化というのはすでに進行してると思ってて(もちろん、優秀な方はいっぱいいらっしゃいます)今回のニュースはそれを象徴するものだ、と考えます。まぁ、言いたいことはいろいろあれど、ちょっとここでは書けません。直接話す機会があればそのときに。
いやぁ、がんばらねば。ほんと。

Posted by: money at October 27, 2003 8:58 AM

オフショア開発、って、アウトソーシングのことかしら?

安価で比較的良質な労働力が得られるアウトソーシングは、ただでさえ厳しいアメリカの雇用情勢をいっそう厳しくしていると、この国では大きな問題になってます。これはつまり、ただコードが書けるだけの技術者はそのうち職が無くなる、ということで、他人事ではありません。技術者は、新しいアイデア、アーキテクチャを生み出し、それを実際にデザインできることが不可欠となってきてるといえると思います。いやはや、がんばらねば。

インドや中国やロシアにはホントに高学歴低賃金の労働力がたくさんあります。ほんと怖いです。

Posted by: ケイ at October 27, 2003 5:10 AM
Post a comment









Remember personal info?






Powerd by FC2.com
since 2/Feb/2004