October 6, 2015

エクサスケールの衝撃

これはね、コンピュータ・サイエンスをかじった人間にとっての、壮大な夢なんだよ。

エクサスケールの衝撃
エクサスケールの衝撃齊藤 元章

PHP研究所 2014-12-18
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先日話を聞いてきた、WIRED AI 2015 TOKYO Singularity Summit #1 での、(僕個人的な評価として)ヘッドライナーだった、斎藤先生ご自身の著書。

カンファレンスでの講演は、(会そのものの性格に合わせて)技術的な話を盛り込みつつ、こうやって、人類70億人分の脳みそに相当するCPUを6リットルのサイズに納めた次世代スーパーコンピュータを実現するんだよ、めどはついた、あとは実装するだけ、という話題だった。

本書は、エンジニアではない読者を相当に意識し(おそらく、予算、助成金執行を握る文系の役人を念頭に置いたんだと思う)、技術的な「どうやって実装する」という話はほとんどなく、そんな莫大な能力を備えた超スーパーコンピュータを作って、何に使うの?という話と、それが実現できたら、我々人類は、どのような世の中を迎えることができるのか、シミュレーションしておくことによって、今からココロの準備をしておこう。これは、国家間の戦争だ。こんな偉大なパワーを好戦的な他国なんかに先を越されると人類は不幸になる。この偉業は日本が世界に先んじて実現するべきなのである、という話で終始している。つまり、夢しか語っていないし、とっても楽観的だし、とても性善説に満ちあふれていて、読んでいてとても幸せになれます。でも、この楽観視、性善説なのは、この著者が育ちがよくて、とても幸せな人生を送ってきたからなんだと思う。世の中、先生が思うほど、みんな創造的ではないし、論理的じゃないし、自分が幸せになることより、人の足を引っ張って、抜けがけさせないことにパワーを費やす人が多いんだけどなぁ、と、いろいろ見てきた僕は思うわけです。

あと、このCPUがが実現できた。なるほど、確かに、 計算パワーは、恐ろしいまでのパワーが得られるだろう。でも、著者が本書で描く世界を実現しようとすると、いったい、どれだけのソフトウェアを書かないといけないのか?ということをソフトウェア工学屋の僕は思ってしまうわけで、結局、ソフトウェアがボトルネックとなって、著者の考えるタイムスケールでの、シンギュラリティの実現に対して足を引っ張ってしまうんじゃないか、と心配しているわけです。なんせ、なんちゃってプログラマーしか作って来なかった我が国ですからねぇ。どこかで微力ながら斎藤先生のプロジェクトの片隅で何かに貢献できるような機会があるといいんですが。

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March 2, 2010

これがGetting Real2 と噂されていたものなの?

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)
小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)黒沢 健二

早川書房 2010-02-25
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37シグナルズの本、Reworkが新書で邦訳されたとあっちゃ、読むしかないでしょ、ということでさくっと読了。

Getting Realというのは、彼ら37シグナルズ(これ、会社の名前)でのこれまでの立ち上げの経験から得られた思想、ウェブアプリの開発等における、考え方等をまとめたもので、これまで彼らのサイトで読むことができたドキュメントである。製本版も売られており、今回読んだ本書によると、100万ドル以上売り上げた、ということからも、それはそれは我々にとって、すばらしい教科書とも言うべき代物。

で、その勝手訳版を作ったという話は以前に書いた。結局、その勝手訳版は完成しているのだが、いちおう、正式な日本語版が存在するので、僕個人的には、周りの読みたいとおっしゃる知り合いにしかばらまいてない。読みたい方は、ご一報ください。

で、改めて、本書ですが、内容的には、Getting Realそのまま。ただ、ソフトウェア開発的な話をできるだけ削って、一般的な話としてまとめたもの、って感じ。
なので、Getting Realを読んだ人には、読まなくても大丈夫。読んでない人でも、ソフトウェア開発者だったら、そっちを読め。そうでない方は、先にこちらをお読みになられるのがよろしいかと思われます。

ところで、以前、Getting Real v2 を執筆中という噂が流れてたけど、それって、この本のことだったんだろうか?それとも、本書とは別に、getting Real2が進行中なんだろうか?

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January 9, 2009

マイクロISVの作り方

ソフトウェアエンジニアだけでなく、ソフトウェアで飯食ってるすべての人のための本。

勢いで読了。
いや、すばらしい。今ビジネスモデルとか新しいビジネスの話をしてるメンバみんなに早速薦めた。
何かしら議論を進めるにしても、共通認識のベースというか、議論のバックグランドとして、この本を底本とすると、相互理解が進み、議論がしやすそう。

Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方
Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方青木 靖

翔泳社 2008-09-11
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おすすめ平均 star
star開発者として成功するためのエッセンス集

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もちろん、みんながみんなマイクロISVを目指す必要もないし、それに従う必要もないんだけど、エッセンスというか、考え方としては、SAASをやろうとしているベンチャーも同じ。

今、どっかの大きめの会社にいるソフトウェアエンジニアがベンチャーやりたいって言い出したら、まずこれを読め、というための本。

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October 20, 2008

サンタフェ

我々の世代で、「サンタフェ」というとまず思い出すのが、これ

こればっかりは、当時の反響の大きさから言っても仕方がない。

が、本エントリで紹介したいのは、こっちの方。

複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち (新潮文庫)
複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち (新潮文庫)M.ミッチェル ワールドロップ

新潮社 2000-05
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おすすめ平均 star
starはじまりは期待されていなかった
starHistory of Sciences of Complexity
star当時は感心したが...

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学際的な研究テーマを扱う、非営利研究所として有名なサンタフェ研究所の立ち上がりと、その設立に際し、研究テーマを持ち寄った各研究者の苦悩や喜び等が臨場感たっぷりに書かれたドキュメンタリ。

本書で触れられている研究テーマは、これまでの需要供給曲線に代表される、理想的な状況を前提に構築されたこれまでの経済学ではなく、あくまで現実世界の、様々な因子が絡む複雑なリアル経済をモデル化しようとする「収穫逓増」の話とか、カオス、人工生命、遺伝的アルゴリズムなど、現在でも研究が盛んに進められているテーマばかり。それらの研究分野が一人の研究者の発想からどのように、研究テーマとして成長してきたのかがわかりやすく書かれた本。

内容そのものも然ることながら、よくもまぁ、これだけ、複雑で難しいテーマを、それも、すでに、確固たる理論が確立されている分野ではなく、あくまで研究テーマそのものの立ち上がりが現在進行形という不安定な内容であるにも関わらず、第一線の研究者からのインタビュー等により、これだけのライブ感たっぷりなドキュメンタリに仕上げたものだ、とそっちの方にびっくり。

世の中にある、通常のソフトウェアプロジェクト(つまり、最初にやりたいことがあって、それに基づいて、仕様が決まり、設計、開発、テスト、リリースと流れる、よくある開発プロジェクト)ではなく、たとえば、Linusが最初のLinuxカーネルを作る過程だとか、あるいは、まつもとさんがRubyの開発に着手して以降、初めて世の中に公開するまで、とか、直近だと、ひがさんが、seasar1の開発に着手して、その後、S2を作って、といったスモールスタートなソフトウェア開発プロジェクトをドキュメンタリータッチで書くと、この本のようなテイストの、いい本になるんじゃないかな、と思った。誰か書かないかな。

実は、このエントリを書く前に、この本に対するすばらしい書評を誰かが書いてるだろう、と思って探してみたんだが、実はあんまり見当たらなかったのには意外。見つかった、と思ったら、万人にはお勧めできないとか書いてあるし。

意外だったのは、真っ先に読んで書評ってるであろうと思われたyomoyomo氏が読んでなかったこと。彼の評文を読んで見たかったのだが。

というわけで、万人にお勧めできるような一般的な本ではないのは確かなんだけど、読んで損はないかと。上記のyomoyomo氏のエントリにもあるように、「あなたのマインドを広げる五冊の偉大な科学書」にも選ばれているし。

ちなみに、サンタフェ研究所に招聘され、複雑系の分野の研究者でないにも関わらず、サンタフェで講演を行った日本人が実在するのってご存知?(本書には、その話題は出てきません。)

Santa Fe 宮沢りえ
Santa Fe 宮沢りえ篠山 紀信

朝日出版社 1991-11
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おすすめ平均 star
star第2弾も出版してほしいです!
star体を張った「賭け」
star一つの時代を作った?

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September 7, 2008

古田の様

さくっと読了。

いいねぇ。古田ファンなら必読。古田ファンでなくても、頭脳ゲームとしての野球が好きなら十分に楽しめる一冊。


古田の様
古田の様金子 達仁

扶桑社 2008-08-08
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おすすめ平均 star
starファンブックの延長

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March 18, 2008

本あれこれ

なんで同じようなタイミングで同じようなターゲットの本をまとめて出すかなぁ。

ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!
ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!梅田望夫

文藝春秋 2008-02-28
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おすすめ平均 star
starシリコンバレーという場所の背景
starこれまでとは似て非なる本
star心で読む

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おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書 55)
おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書 55)中島 聡

アスキー 2008-03-10
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おすすめ平均 star
star期待はずれ

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パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54) (アスキー新書 54)
パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54) (アスキー新書 54)海部 美知

アスキー 2008-03-10
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おすすめ平均 star
star表現が秀逸です。
star印象的なタイトル
starん?

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で、一通り読んでみての感想は、

「やっぱり、もう一回じっくり読まなきゃ」

であった。ってことで詳しくはまた後日。

で、上記の本と一緒にこんな本を見つけた。

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学
ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学岡嶋 裕史

光文社 2008-03
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「失敗学」と言われると当然ながら、これらwをはじめとする畑村先生を想起するわけですよ。となると、こういうタイトルを見せられた以上、畑村先生の理論をシステム開発に応用した事例とか、そういう話かな、と思ってしまうわけでとりも直さず手に取ったわけです。

よくよく見てみると、著者は、他にもいろいろな著書をお持ちの、関東学院大の岡嶋先生という方。

なんだ、大学の先生の机上の空論か、と思いきや、そういや、この人は先生になる前にコンサルの経験があるんだったなぁ、でもSEの現場は知らんのちゃうん?とかいろいろ思いをめぐらしつつ、読み始めたのだが、どうも読んでて腹が立ってくるのでなかなか読み進められない。

ふとあとがきを見てみると、

「この本を本当のSEの方が手にとると思うとぞっとする」なんてことが書いてあったりする。おいおい、こんなタイトルつけたら、現状に問題意識を持っててなんとかせにゃ、ってことをいつも考えてるようなSEしか手にとらないだろ。

ってことで、がんばってじっくりと読んでから改めて、エントリを起こすことにする。

失敗学のすすめ
失敗学のすすめ畑村 洋太郎

講談社 2000-11
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おすすめ平均 star
star成功する原動力
star失敗から学ぶこと
starいい本だけど。。。

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Posted by money at 7:48 PM | Comments (0) | TrackBack

March 6, 2008

本屋巡回

iPod Touchを持ち出してからというもの、本を読む時間が確実に減っている。これじゃいかん、と思い本屋巡回、定点観測。

ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!
ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!梅田望夫

文藝春秋 2008-02-28
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おすすめ平均 star
starIT起業家の金言集、大切な教訓ではあるが話半分で。

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恒例となった、梅田望夫氏の3部作の完結編(?)。
中身に関しては別途エントリを起こすとして、僕はこの人のアウトプットではなく、インプットそのものに興味がある、ということが分かった。

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)
米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)米原 万里

集英社 2007-08
売り上げランキング : 4007

おすすめ平均 star
star米原さんへ愛をこめて、ひとつだけ反論
starタイトル
star滲み出る米原万理の魅力

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エクサバイト
エクサバイト服部 真澄

角川書店 2008-02
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おすすめ平均 star
starエクサバイト
star着眼点は良いのだが・・・

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December 18, 2007

洋書あさり@CA

米国に出張等で来ると、なんとか時間を作って必ずするのが、書店めぐり。私の場合は、コンピュータ書コーナー限定ですが、ざっと一通りみて回ってめぼしいものがないかを探す。

当然ながら、わざわざ重たいものを買って帰るのではなく、アマゾンで注文すればいいじゃん、という声もある。もちろん、すでに分かってる本を入手する、というのであればアマゾンで事足りるのですが、特に目的の本があるわけではなく、何かめぼしいものないかなと、置いてあるものをざっと一覧して、気になったものを手にとってみる、という一連の動作というのはオンライン書店では決してできないことだと思う。この「手に取ってみる」というプロセスを少しでもオンラインで実現しようとしてるのが、アマゾンの中身検索だと思うのだが、やはり、本屋で開架されたものの背表紙をざっと端から順番に眺めつつ、目に留まったものをひょいと手に取ってみる、というプロセスだけはオンラインではなかなか実現できないんじゃないか思うし、これがあるからオンライン書店が存在するにも関わらずみんな書店に行くんだと思う。この予期しない(あらかじめ想定できない)出会いとかマッチングというものをオンラインで実現できればいいんだが。

そうして気になったものの中から、当然ながら邦訳が出なさそうなものを優先して買って帰るのですが、前回の戦利品はこれでした。

Lucene In Action (In Action)
Lucene In Action (In Action)Erik Hatcher Otis Gospodnetic

Manning Pubns Co 2004-12-31
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当時としては、関口さんのLucene本の存在を知らなかったので、「おお、Luceneの本が出てる!」と思って買って帰りました。当然、後日関口本と合わせて大活躍でした。

で今回の戦利品はこんな感じ。

Blast
BlastIan Korf Mark Yandell Joseph Bedell

Oreilly & Associates Inc 2003-06-01
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これは、DNA、ゲノム関係者には有名な塩基配列を探すためのツール、アルゴリズムであるBLASTの解説本です。日本語版が出なさそうな匂いがプンプン。

Higher-order Perl: A Guide To Program Transformation
Higher-order Perl: A Guide To Program TransformationMark Jason Dominus

Morgan Kaufmann Pub 2005-05-30
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これは、プログラムを生成するためのプログラムをPerlで書く、というか、ソースコードを入力としたメタレベルのプログラムをPerlで書く、という話。なので、書名もHigher Order Perl。

Programming Collective Intelligence: Building Smart Web 2.0 Applications
Programming Collective Intelligence: Building Smart Web 2.0 ApplicationsToby Segaran

Oreilly & Associates Inc 2007-08
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これは、知性を集めるプログラミングの解説書というと分かりにくいが、早い話が、ランキング集計とか、傾向分析とか、「この本を買ったほかの人はこんな本も買ってる、だからお前も買え」機能をどうやって実装するか、みたいな話。つまりはクラスター分析をどう実装するか?とかって話ですな。

経験則上、そういう風にして手に入れた本って後々役に立ってるってことが多いですが、一番のネックは自分の英語力に因るReading Speedの遅さかな。

Apache Lucene 入門 ~Java・オープンソース・全文検索システムの構築
Apache Lucene 入門 ~Java・オープンソース・全文検索システムの構築関口 宏司

技術評論社 2006-05-17
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おすすめ平均 star
star検索エンジンの基礎が学べます
star日本語構文解析の説明がわかりやすい
starこの本には大変お世話になってます

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November 13, 2007

ウェブ時代をゆく

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)梅田 望夫

おすすめ平均
stars「個」の可能性と「個」への信頼
starsウェブを武器にポジティブな人生を生きる指針
stars多くの読者に推薦する
starsウェブ時代の指南書
stars若者へのメッセージ

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さて、少し出遅れた感のある、梅田さんの新著であるが、ようやく読了&2週目に突入し、今晩は丸善の講演会に行くことになってるので、まずはご本人の肉声を直接聴く前に書いておこうと思う。

さて、本書は、副題にもあるように、「どう生きるか、どう働くか」を論じたものであり、前著の「ウェブ進化論」のメインテーマであった、「インターネットのあちら側はこんなことになっておるのだよ」というものとは違う。前著の際には、いま世の中はこういう動きをしている。だとするとその先にはこんな未来がくるよ、という話であり、これが一部では楽観的すぎる、とか、グーグル褒めすぎといったコメントにつながったのだと思う。
で、いざ「ウェブ進化論」が刊行された途端の反応の凄まじさに梅田さん自身が大変驚いた。オフラインでの著書発刊というアクティビティをきっかけとしてウェブ上で繰り広げられたインタラクティブな世の中の動きそのものを梅田さん自身が体感し、改めて「ウェブ」というツールのもつ影響力の大きさを知り、「ウェブ進化論」で楽観視した将来像に自信を深めた。さらに、その楽観視した将来像が正しいとするならば、そういう世の中で我々はどのように生きていくべきか、あるいはどのような仕事感をもつべきか、という点を思考し、さらに昇華させたのが今回の本書なんだと思う。
なので、本書は、我々よりも下の世代が読むべきであり、この世代でないと琴線に触れない類のものであり、日本の守旧派、あるいはエスタブリッシュメント層に対するカウンターパートとしての梅田さんのポジション、あるいは立ち位置に期待しているわたしとしては、我々のために、この本をありがとうという気持ちはあれど、それよりも、あなたしかできないことをしてください、それが結局は我々のためになるんだから、と思わざるをえない。そんな本。

で、本書の中身の話だが、要するに、インターネットがあり、ウェブがあり、なんでも即座に調べられる検索エンジン(特にグーグル)があり、誰でも情報発信できるブログがある。そういう道具立てが揃った世の中を前提とした現代版「「知的生産の技術(梅棹忠夫)」であり、あるいは「知的生活の方法(渡辺昇一)」である。

だが、それらとの大きな違いが、第4章の「ロールモデル思考法」と称する、これからの職業感に対する1つの提言だろう。実は、これと似たようなことをあるところで喋ったことがあり、とても親近感を覚えたのである。

わたし自身、前職である某大手通信系グループ企業から飛び出し、本書でいう「けものみち」に進んだのであるが、前職時代から仕事でお世話になっていたグループ内の他社さんの部署内勉強会で講演を依頼されたことがあった。その時の話では、「グループ内企業でぬるま湯に浸っている部署内の若手エンジニアに対し、グループの内外両方を知る立場として刺激を与えてやって欲しい」というもの。それに対し、わたしの出した答えは、「『わたし』という一介のエンジニアのこれまでのキャリアパスを洗いざらい話し、各々のターニングポイントで何をどのように考え、どのような決断をし、その結果としてのいまがある。これを1つのケーススタディとして自分自身のキャリアパスを考える上での参考として欲しい。」というもので、過去のバックグランドからどういうことをやってきたか、その後どういう結果が得られたか、などといったことをいろいろ含めて全部で3時間ぐらいでざっと喋ったのだ。いまから約2年前のことである。

旧友とのつながりが今の会社に参画するきっかけになったことや、目の前の開発の仕事をする延長から破格値でヘッドハンティングのお誘いを受けたこと、ひょんなことで知り合ったのがきっかけで仕事を紹介してもらえ、食いつなぐことができたこと、さらにはコンピュータのエンジニアを目指すきっかけとなった、高校生時代に読んだ本の話、オープンソースに絡む活動をしていく中で知り合った雑誌の編集者から頼まれ、雑誌に技術解説記事を書くことになり、当時所属していた社内では、社員が雑誌に記事を書くということが想定されておらず、社内申請の用紙がなくて困ったこと、社内初の通常の正社員から年報制契約社員へ移行したことなどざっくばらんに喋った。

そのような、とある大きな組織に所属し、そこで着実に実績を挙げていく、というこれまでの職業感だけではなく、こんな生き方もあるし、正解はどこにもないんだよ、というひとつの例証として考えてもらうべく話をした。

それと本書の第4章で梅田さんがやろうとしたことは同じなんだ、と勝手に解釈をした。
巷の一介のエンジニアにとって、本書で述べられている梅田さん自身のロールモデル、あるいはキャリアパスというのはちょっと現実離れしていて直接参考にならないかもしれない。また、本書の中にも登場する、小飼彈氏にしても特殊解だろう。また、エリートでない普通のエンジニアとしてまつもとゆきひろ氏の例も挙げられているが、彼は、日本の中でのコンパイラの第一人者である中田育男氏の愛弟子(筑波大ソフト研出身)であり、プログラミング言語の世界という意味では、直接高等教育を受けたエリート中のエリートであり、彼を持ち出すのもどうかと思う(御本人の才能、努力を否定するものではありません)。それでも、自分自身の過去の経歴を含め、ここまで洗いざらい提示し、我々が自分自身の今後を考えるための材料を提供してくれている、という著者の心意気にはとても感服する次第なのである。

ぜひとも、わたし自身より若い方々にこそ、読んでいただきたい、そんな本である。

といったところで、今晩の生梅田氏講演会が楽しみである。

知的生産の技術 (岩波新書)
知的生産の技術 (岩波新書)梅棹 忠夫

おすすめ平均
stars知的活動の原点をいま一度見つめるために
stars今でも通用する「正規化」概念の元祖といえる好書
starsタイトルにいつわりなく、非常に参考になる技術論。
stars本質的な論理的思考の教科書として良書。
stars記録と整理の意義が分かります。

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知的生活の方法 (講談社現代新書 436)
知的生活の方法 (講談社現代新書 436)渡部 昇一

おすすめ平均
stars【知的生活】は自分自身を高める生活
stars時を越えても変わらない知的な喜び
stars知的生活
stars著者のエピソード中心。かなりワクワクする!
stars人生に最も影響している本。読書好きには絶対お勧め。

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August 15, 2007

あやつられた龍馬

あやつられた龍馬―明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン
あやつられた龍馬―明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン加治 将一

祥伝社 2006-02
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おすすめ平均 star
star期待はずれ
star興味は尽きない面白さに星★★★★★★★
starとてもおもしろかったです

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意外な真犯人説にびっくり。でもなぁ。。。

あとで書く。

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August 13, 2007

石の扉

石の扉―フリーメーソンで読み解く世界 (新潮文庫)
石の扉―フリーメーソンで読み解く世界 (新潮文庫)加治 将一

新潮社 2006-01
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おすすめ平均 star
starフリーメーソンはやっぱり怪しい秘密結社でなきゃ
star知らなかったです
star入門書としては面白いかも〜

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てんこ盛り。

過日幕末 維新の暗号を読み、そのまま勢いに乗って、書店であやつられた龍馬を手に取ったのだが、著者である加治将一氏によるあとがきによると、過去の著書、石の扉で触れた竜馬ネタががベースとなっているらしい。となると、先にこっちを読まなきゃ、と思い、そのまま文庫本コーナーをさまよい、捕獲した一冊。

私の場合、何かの拍子に興味ある作家さんを見つけると、そのままの勢いで集中的に過去の著作を食い荒らす傾向があるのだが、今回も似たような感じ。

これまでフリーメーソンとか、テンプル騎士団の話題については、ダビンチコードとか、フーコーの振り子とか、フィクションもので出会うことはあっても、ノンフィクションで、かつ巷の陰謀説に惑わされずに説明してくれているものには出会うことができなかった。そういう意味で本書は個人的には大変貴重な一冊。といっても、私をはじめとして実体を知らないものにとっては、フィクションとノンフィクションの境界が判断つかず、知的好奇心をくすぐってくれるに過ぎないが、それだけでも十分、本書との出会いに感謝せざるを得ない。

数年前に、ダビンチコードが流行り、キリスト教が絡んだ謎とき本としては、異例のベストセラーになったので、そこで初めてフリーメーソンということばに触れ興味を持った人は多いと思われるので、そういう人にとっては、その好奇心をぶつける対象として本書を紐解くとはまるんじゃないだろうか。

著者はあくまでも、フリーメーソンという団体に興味を覚え、個人的にいろいろ調べた第三者的な立場で本書を執筆してはいるが、どうやらメーソン会員であるような気がしてならないのだが実際どうなんだろう。そうでないと、本書の中で触れたところ、ぼかしたところ、書いてはいけないことなどの判断がつかないと思う。それぐらい、いい感じに暴露と秘匿がうまくミックスされたノンフィクションミステリィに仕上がっている一冊だと思う。また、本書は全体的に「です、ます調」で記述されているのだが、時折「である調」が出てきたり、と著者自身、慎重に調べられた上でなおかつ知的興奮を覚えながら勢いよく書き進められたように見受けられる。久々にいい作家さんと出会ったなぁ、と思う。今後の執筆活動が楽しみな一人である。

ちなみに、全く関係ないが、私の高校の校章が、ダビデの星にそっくりなので、その関係性が在学中からとても謎なのだが、実際のところどうなのだろう。

幕末 維新の暗号
幕末 維新の暗号加治 将一

祥伝社 2007-04-21
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おすすめ平均 star
starネタは良い・・しかし・・
star事実を受け入れませんか?
star肖像写真としての観点

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あやつられた龍馬―明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン
あやつられた龍馬―明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン加治 将一

祥伝社 2006-02
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おすすめ平均 star
star期待はずれ
star興味は尽きない面白さに星★★★★★★★
starとてもおもしろかったです

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ダ・ヴィンチ・コード〈上〉
ダ・ヴィンチ・コード〈上〉ダン・ブラウン 越前 敏弥

角川書店 2004-05-31
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おすすめ平均 star
starWell-written fiction
star知的好奇心をそそられます
star映画版はよくない。

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フーコーの振り子〈上〉 (文春文庫)
フーコーの振り子〈上〉 (文春文庫)ウンベルト エーコ Umberto Eco 藤村 昌昭

文藝春秋 1999-06
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おすすめ平均 star
star二度目の挑戦で面白さを知った
starつらい
star「薔薇の名前」と甲乙つけ難い

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August 9, 2007

刑務所の王

刑務所の王 (文春文庫)
刑務所の王 (文春文庫)井口 俊英

文藝春秋 2003-08
売り上げランキング : 204881

おすすめ平均 star
starリアル・アンタッチャブル
star一受刑者の人物伝
star刑務所王の生涯

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これは、「人と人の出会い」という偶然の産物がもたらした珠玉のノンフィクションである。

大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件を覚えているだろうか。

当時、大和銀行ニューヨーク支店に所属するトレーダーが5万ドルの損失を出す。解雇を恐れ、この損失を帳消しにしようと、損失を(社内的にも)隠蔽したまま、簿外取引を繰り返し、約12年で、11億ドル(約960億円)の損失を出し、とうとう隠し切れなくなって、社内で事情を明らかにする。大和銀行上層部は、大蔵省には報告するが、米国法上の報告義務を怠り、結果として、当時都銀ではかなりの国際派銀行だった大和銀行の海外撤退、そして銀行としての消滅へのきっかけとなった。(現在は、りそな銀行)

シンガポール(だったっけ?)でも、イギリス系投資銀行が取引ミスから破綻する事件が起き、映画にもなったが、この大和銀行の件については、巨大な損失額等もさることながら、一トレーダーが、12年間も巨額な損失を隠蔽し続けることができた、という事実から銀行内の管理体制の甘さが指摘された。

そんな、とても印象に残る大事件であるが、その事件を引き起こしたトレーダー本人が、本書の著者、井口俊英である。

その井口が、刑務所の中で、事件に至るまでの経緯等を本人の立場で洗いざらい語ったのが、くしくも処女作となった前著、「告白」であり、本書は彼にとっての二作目となる。

上記の事件をきっかけに、米国内で服役する最中で、たまたま隣の独房に居合わせ、心を通わすほどになったのが、本書の主人公であるジョージ・ハープ、その人だ。

形としては、ジョージが過去の記憶を引っ張り出し、それを井口がまとめる、という形をとっており、出所後に、ジョージの妻等にも話を聞きつつ、ちょっとしたきっかけで人生の大半を刑務所の中で過ごすという結果になってしまった主人公の一大自叙伝に仕上がっている。

前著については、利益目標、ノルマ、着地点見積もり等、日々数字に追い回されている営業職や、プロフィットセンター所属のサラリーマンには、とても身につまされる話であり、他人事とは思えないだろうし、おそらく読みながら十分に感情移入が可能だと思うが、正直、本書については、大部分が、米国刑務所内のギャングによる抗争、囚人である主人公の半生を描いており、日本人にはなかなかなじめない。もちろん、こういう話は、取材で書けるようなネタではなく、著者井口の実体験、たまたま隣の独房に居合わせた、という偶然、「半生を本にしたい」という井口に同意し、記憶を引っ張りだした主人公の明晰な頭脳、いろんな要因がかみ合った、非常に価値の高いノンフィクションであることは間違いないが、一般的にオススメできるか、というとかなりビミョウ。

刑務所ものといえば、最近だと、このへんあたりが有名だけど、趣は全く異なる。
映画で言えば、告発とか、ショーシャンクの空に、最近はやりのドラマで言うと、プリズン・ブレイクとか数あるが、この中でも最も衝撃的だと思われる「告発」が楽しめた人であれば本書を読んでもそれなりに楽しめるのではないかと思われる。

やっぱり、どう考えても一般向けではないなぁ。いい本ではあるけどね。どうせ読むなら、前著の方をオススメする。

ところで、著者は、自分のこれまでやってきたことを赤裸々に述べた前著、そして刑務所の中で偶然出会った友人の半生を描いた本書と、続けて上梓してきたのだが、次回策はどんなネタを提供してくれるのか、個人的には、そこが一番興味の対象だったりする。

と思ったが、実は、すでに3作目も上梓してたのね。早速読まなきゃ。

ちなみに、本著者の井口の事件が発覚し、家庭が崩壊し、身柄を拘束され、服役する中で心の支えとなった現在の奥様が、服役から還ってくるのを待つ心境を述べたマーメイドという本もある。こちらはまだ読んでいないのでなんとも言えないが、前著の「告白」と合わせて読むといいのかもしれない。

告白 (文春文庫)
告白 (文春文庫)井口 俊英

文藝春秋 1999-05
売り上げランキング : 103751

おすすめ平均 star
star何が正気で何が狂気か
star狂気の本
star大和銀行巨額損失事件を克明にエキサイティングに記述

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獄中記
獄中記佐藤 優

岩波書店 2006-12
売り上げランキング : 1831

おすすめ平均 star
star強靱な精神力に脱帽
star知性と行動、そして外交の失策。
star出会いの本  

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告発 デラックス版
告発 デラックス版クリスチャン・スレーター ケビン・ベーコン ゲイリー・オールドマン

パイオニアLDC 2003-02-21
売り上げランキング : 24678

おすすめ平均 star
star権力者の驕りは悲しいけれど現実
star胸に響いています。
starむご過ぎ

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ショーシャンクの空に スペシャル・エディション
ショーシャンクの空に スペシャル・エディションティム・ロビンス モーガン・フリーマン ウィリアム・サドラー

ワーナー・ホーム・ビデオ 2006-03-27
売り上げランキング : 4209

おすすめ平均 star
starレッドもここにありき・・・
starmasterpiece

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プリズン・ブレイク シーズン2 DVDコレクターズBOX1
プリズン・ブレイク シーズン2 DVDコレクターズBOX1ウェントワース・ミラー ドミニク・パーセル サラ・ウェイン・キャリーズ

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-06-02
売り上げランキング : 295

おすすめ平均 star
starうーん…長引くなぁ…
starまた睡眠不足になる・・・・・
starシーズン2から見始めたヽ(≧▽≦)ノ ブァハハー

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マーメイド
マーメイド井口 明美

日経BP社 2003-02
売り上げランキング : 415424

おすすめ平均 star
star一日本人女性の視点で描かれた米国社会の現実、そして壮大なラブストーリー

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陰謀のドル―FRB議長暗殺
陰謀のドル―FRB議長暗殺井口 俊英

文藝春秋 2002-07
売り上げランキング : 484045

おすすめ平均 star
starちょっと現実離れしてるような・・
star息もつかせぬストーリー展開

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August 6, 2007

幕末 維新の暗号

幕末 維新の暗号
幕末 維新の暗号加治 将一

祥伝社 2007-04-21
売り上げランキング : 2604

おすすめ平均 star
starネタは良い・・しかし・・
star事実を受け入れませんか?
star肖像写真としての観点

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面白くて一気に読了。

表紙にもなっている一篇の古い写真をめぐる歴史謎解きもの。

著者は、前著あやつられた龍馬−明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソンでも、幕末の謎に迫った人物であるが、経歴を見ると、コテコテの歴史専門家というわけではなく、幕末好きの趣味が高じて、自分で謎を追いかけているうちに、自分なりに小説としてまとめてしまった元ビジネスマンって感じなので、おそらく歴史の専門家にとっては、看過できないトンデモ本なのかもしれない。

しかし、歴史上の事実を正確に解明する、記録することを使命とする専門家とは異なり、あくまで歴史にロマンを求め、知的好奇心の対象として考えればいい、一般読者にとっては、とても興味深い謎解きを提供してくれる好著である。

本書はあくまでも小説であり、歴史解説書、研究書ではないので、そこに書かれていることが事実かどうか、というのは二の次であり、歴史をネタにしたサスペンスという意味で、「日本版ダビンチコード」とでもいえる一冊。あちらが、キリスト教関連の知識がないと読みこなすのにつらかったように、こちらも幕末、明治時代のバックグラウンドがないとつらいが、そもそもこのタイトルを見て手に取るような人は、たいてい竜馬がゆくは読んでたりするはずなので、問題ないはず。眉唾系の歴史謎解きものといえば、思い出されるのが、鯨 統一郎 邪馬台国はどこですかであるが、これもおそらく学問的には、論理が飛躍しすぎとか、決め付けがひどすぎるとしてそっち方面では評価されづらい1冊。鯨氏の本が楽しめた人にはとても楽しめる内容ではないかと思われる。

ところで、本書にも主人公(というか著者本人)のせりふとして言及されているが、わが国の歴史観は、司馬遼太郎に負うところが大きい。つまり、司馬史観が支配的だ。たとえば、坂本竜馬という幕末の一浪人の人物像をとってみても、司馬氏の著書で描かれたヒーロー然とした人物像が絶対視され、この人物像を壊すような描き方はご法度的な雰囲気が漂う。そういった意味でも、司馬史観に対して疑問を投げ抱える著者の姿勢に拍手喝さいを送りたい。

たとえば、現実のサイエンスを発展させた上で近未来を描くサイエンティフィックフィクション(SF)があるように、歴史的事実をつなぎ合わせて過去の謎に迫る、ヒストリックフィクションとして捉えると、これほど知的娯楽物として楽しめるものは、著者の筆力、取材力、そして想像力の賜物であり、ぜひ、今後も新たな謎解きを提供してもらいたい。

そういや、鯨氏の本でもこの本でも、主人公の謎解きのパートナーは必ず高学歴のインテリ女性だったりするのは、何か意図があるのかなぁ、とインテリ女性フェチとしては気になります。

つーか、急いで、前著も読みます。

あやつられた龍馬―明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン
あやつられた龍馬―明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン加治 将一

祥伝社 2006-02
売り上げランキング : 1121

おすすめ平均 star
star期待はずれ
star興味は尽きない面白さに星★★★★★★★
starとてもおもしろかったです

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ダ・ヴィンチ・コード〈上〉
ダ・ヴィンチ・コード〈上〉ダン・ブラウン 越前 敏弥

角川書店 2004-05-31
売り上げランキング : 48422

おすすめ平均 star
starWell-written fiction
star知的好奇心をそそられます
star映画版はよくない。

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竜馬がゆく〈1〉
竜馬がゆく〈1〉司馬 遼太郎

文藝春秋 1998-09
売り上げランキング : 964

おすすめ平均 star
star幕末最大の英雄が、近代日本の夜明けを駆け抜けます
starこの人がいなかったら・・・
star漫画とはまた違った一面を描いている作品

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邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)
邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)鯨 統一郎

東京創元社 1998-05
売り上げランキング : 9330

おすすめ平均 star
starなぜか笑えます
star楽しい歴史ミステリー
starこんなの初めて〜

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August 2, 2007

スーパーコンピューターを20万円で創る

スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書 395G)
スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書 395G)伊藤 智義

集英社 2007-06
売り上げランキング : 726

おすすめ平均 star
star技術者魂か?
starありそうでなかった「気軽に読める科学読み物」
star内容が物足りない

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取り急ぎ、大学で理系の研究室生活経験者、およびエンジニアの方々、現在研究室に在籍する学生さん、必読です。続きは「あとで書く」。

Posted by money at 3:52 PM | Comments (0) | TrackBack

July 18, 2007

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)
2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)西村 博之

扶桑社 2007-06-29
売り上げランキング : 52


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さくっと読了。

まず、目次を見たら、あの佐々木氏と対談してる。いやぁ、どうせ対談させるんなら、どちらかというと、梅田さんとでしょ!とか思いながらレジへ。

というのも、これとか、佐々木さんの著書を読んでいれば、彼は技術側の人ではなく、あくまでも現実に起こってること、身近な存在に目をむけ、そこで起こっている問題点とか、将来に対する疑問だとか、そういったものに目を向けることを得意とする人である、ということがわかる。

それに対し、本書の著者(というか、スピーカー?)のひろゆき氏は、動画配信ビジネスのシンポジウムだかにパネリストとして出席し、みんなが動画配信ビジネスの未来をばら色のように見つめる中、「儲かんないよ。インフラコストをまかなえない。」とばっさり言っちゃうような、どちらかというと、インターネットに対し、ある意味達観した視点を持つ人物。

僕的には、この両者の立ち位置というか、見ている視点というか、レイヤが違うような気がするのよね。だから、ひろゆき氏が佐々木氏に対し、「Web2.0って何ですか?」なんて質問をして、それに対して佐々木氏が佐々木氏なりに応える、という、なんか非常にちぐはぐな対談に読める。

なので、僕としては、真っ向から意見が対立すると思われる、梅田氏との対談を望むわけ。きっと同じものを見つめていながら、こうも真逆な意見が対立するのか、という対談が期待できると思うのだ。

また、子飼弾氏との対談も収められているが、僕としては、どうせならほりえもん氏とひろゆき氏との対談が読みたい。きっと、編集者を含めた第三者が理解しづらい、途中の過程がすっとんだ、あちこちに話題が飛び散る、まとまりのない、だが刺激的な対談が読めるような気がする。

で、話代わって、Web2.0ってなんでしょう?って話が本書でも出てくるが、先日とあるセミナーに出席してきた。それはIBMが主催するDB2って素晴らしいでしょ! ってテーマのセミナーで、DB2を使ったXML関連のソリューションベンダー何社かがプレゼンする、というもの。

その中で、辟易したのが、皆さん、必ず「Web2.0対応」を謳ってらっしゃる。でも、寝にをもってWeb2.0対応なのかがさっぱり分からない。ああいう、スーツな方々がWeb2.0だとか、CGMだとか、ソーシャルネットワーキングだとか、オープンソースだとか、って話題を得意げにお話されてると、聞いてるこちらまで恥ずかしくなってくる。なんでだろう。

まぁ、エスタブリッシュメントな方々にとっての教科書たる梅田さんの本にも、オープンソースはここ10年ぐらいみたいな話題が出てきて、おいおい、DNSとか、sendmailとか、emacsとか、gccとか、X Windowとか忘れんなよ、Linux,apache,mysql, postgres,PHPだけちゃうで、と突っ込みいれたくなる程度なので、いたし方ないのかもしれんが、どうも、実感を伴ったプレゼンに見えないというか、なんかうそ臭いというか、上滑りというか、そのような感想をもってしまう。

そんな、表面的なことに毒されているスーツな方々にこそ、ぜひ読んでいただきたい、と思った1冊であった。

Posted by money at 4:41 PM | Comments (0) | TrackBack

July 16, 2007

悪徳弁護士と呼ばれた男の正義とは

反転―闇社会の守護神と呼ばれて
反転―闇社会の守護神と呼ばれて田中 森一

幻冬舎 2007-06
売り上げランキング : 1


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ようやく読了。

著者の田中森一氏は、苦学の末、司法試験に合格し、特捜のエースとまで言われた現場叩き上げのヤメ検弁護士。そんな、まさに波乱万丈という言葉が当てはまる人生を送ってこられた著者の半生記である。

彼が検事時代に関わった事件、ヤメ検弁護士として関わった事件、人物等のウラ事情がすべて実名で書かれており、現役の政治家先生たちも大勢が友情出演されている(もちろん、現総理のシンゾー君もパパとともに)。

著者自身、自分としての正義を貫き、それに従い検事として、あるいは弁護士として活動してきたことに対する自信が本書全体にあふれており、それは圧倒される。だがしかし、そこの正義と、国家権力たる検察庁の正義に乖離が見られたことが彼の逮捕、実刑判決へとつながったのかもしれない。

本書全体に漂う雰囲気は、佐藤優氏による手記、「国家の罠」ともかぶる。

佐藤優氏は、自分が逮捕され、有罪になることで自分の立場が危うくなることよりも、国際的なインテリジェンスの世界における信用を失うことの方を重要視した。
それと同じく、本書の田中氏も、これまでの付き合いのあったアウトローたちを含めた、自分が守るべきクライアントたちからの信用を失わないことに重きを置いているがあとがきに見てとれる。

昨今のマスコミのような魔女狩りばかりの情報からだと、前述の佐藤氏も本書の田中氏も極悪非道な犯罪者としてのイメージしか見えてこないが、こういった本人の手記を読むと、マスコミで流れる情報がとてもステレオタイプであり、作られたイメージ、偏見に満ちていることがよくわかる。まぁ、分かりやすい勧善懲悪的な情報構造を大多数の国民が求めているのであって、決して事実を求めているわけではない、ということなんだろうけど。

だが、本書で書かれている様々な事件とか、人間関係とか、舞台裏こそが、良くも悪くもこの国の真の姿なんだと思う。好む、好まざるに関わらず。

著者の田中森一氏は結局、実刑判決となったが、ぜひとも氏には、獄中記を書いて欲しい。そう思わせられる一冊である。


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June 23, 2007

[メモ] 徹夜するほど面白い小説(4)

49.

真田騒動―恩田木工
真田騒動―恩田木工池波 正太郎

新潮社 1984-09
売り上げランキング : 84005


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50.

嘘つきアーニャの真っ赤な真実
米原 万里

発売日 2004/06
売り上げランキング 1072

おすすめ平均
嘘つきアーニャの真実が切ないですね。
女性達の感動の物語
ジャンル分け出来ない…

Amazonで詳しく見る4043756011

51.

イヤー・オブ・ミート
ルース・L. オゼキ, Ruth L. Ozeki, 佐竹 史子

発売日 1999/08
売り上げランキング 419051

おすすめ平均
面白い

Amazonで詳しく見る4901142119

52.

My Year of Meats
My Year of MeatsRuth L. Ozeki

Penguin USA (P) 1999-03
売り上げランキング : 13207

おすすめ平均 star
starTerrible title but a great book

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53.

存在の耐えられない軽さ
ミラン クンデラ, Milan Kundera, 千野 栄一

発売日 1998/11
売り上げランキング 30840

おすすめ平均
難解だが引き込まれる
大傑作です。
たった一回限りの人生

Amazonで詳しく見る4087603512

54.

The Unbearable Lightness of Being (Perennial Classics)
The Unbearable Lightness of Being (Perennial Classics)Milan Kundera Michael Henry Heim

Perennial 1999-04
売り上げランキング : 5896

おすすめ平均 star
star最愛の書

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55.

ジェネレーションX―加速された文化のための物語たち
ジェネレーションX―加速された文化のための物語たちダグラス クープランド Douglas Coupland 黒丸 尚

角川書店 1995-09
売り上げランキング : 78189

おすすめ平均 star
starカナダの彫刻家兼作家。
starこれからも、きっと、たぶん。
star訳文の妙

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56.

Generation X
Generation XDouglas Coupland

Abacus 1996-11-07
売り上げランキング : 80880

おすすめ平均 star
star和語/英語どちらから読む?

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57.

コルシア書店の仲間たち
須賀 敦子

発売日 1995/11
売り上げランキング 69105

おすすめ平均
コルシカ書店の仲間たちになりたい
簡潔で読みやすいのに、奥行きがあり美しい文学的な作品
何度も読み返したくなる本

Amazonで詳しく見る4167577011

58.

モスクワ特派員物語 エルミタージュの緞帳
小林 和男

発売日 2001/08
売り上げランキング 355844

おすすめ平均
懐かしい小林さん

Amazonで詳しく見る4140841400

59.

ホンダ神話―教祖のなき後で
佐藤 正明

発売日 2000/03
売り上げランキング 3895

おすすめ平均
商売ということと企業
神話とその虚構
カリスマ本田宗一郎

Amazonで詳しく見る4167639017

60.

戦場特派員
橋田 信介

発売日 2001/12
売り上げランキング 45044

おすすめ平均
平和ボケ日本
濃いです。
深い・・・。

Amazonで詳しく見る4408007722

61.

サイゴンから来た妻と娘
近藤 紘一

発売日 1981/01
売り上げランキング 59775

おすすめ平均
世紀を超えて
著者のやさしい眼差し
妻子への愛 そして 鋭く未来を予測したベトナムへの考察

Amazonで詳しく見る4167269015

62.

“自殺する種子”―遺伝資源は誰のもの?
河野 和男

発売日 2002/01
売り上げランキング 209420


Amazonで詳しく見る4783502250

63.

金融腐蝕列島〈上〉
金融腐蝕列島〈上〉高杉 良

講談社 2002-12
売り上げランキング : 110341

おすすめ平均 star
starあらためて読むといろいろと発見できる

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64.

金融腐蝕列島〈下〉
金融腐蝕列島〈下〉高杉 良

講談社 2002-12
売り上げランキング : 109184


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[メモ] 徹夜するほど面白い小説(3)

33.

剣豪将軍義輝
剣豪将軍義輝宮本 昌孝

徳間書店 1995-12
売り上げランキング : 119389

おすすめ平均 star
starエンジョイ&エキサイティング

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34.

黒い家
黒い家貴志 祐介

角川書店 1998-12
売り上げランキング : 107543

おすすめ平均 star
star最恐
starぶったまげた
star古典的な手法のかもし出す恐怖

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35.

アルジャーノンに花束を
アルジャーノンに花束をダニエル キイス Daniel Keyes 小尾 芙佐

早川書房 1999-10
売り上げランキング : 938

おすすめ平均 star
starAllegory of the Cave.
star知能障害者のアイデンティティというメッセージ色の強い作品。とてもフィクションとは思えないよな心理描写。
star人の一生を象徴的に描く

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36.

Flowers for Algernon
Flowers for AlgernonDaniel Keyes

Harvest Books 2004-06-14
売り上げランキング : 5174

おすすめ平均 star
starAllegory of the Cave.
star知能障害者のアイデンティティというメッセージ色の強い作品。とてもフィクションとは思えないよな心理描写。
star人の一生を象徴的に描く

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37.

永遠の仔〈1〉再会
永遠の仔〈1〉再会天童 荒太

幻冬舎 2004-10
売り上げランキング : 55426

おすすめ平均 star
star「生きていてもいいんだよ」当たり前だろ !
starどうにも……
star「力」がみなぎった作品

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38.

悪童日記
悪童日記アゴタ クリストフ Agota Kristof 堀 茂樹

早川書房 2001-05
売り上げランキング : 7409

おすすめ平均 star
star痛みを知り、忘れないこと
starびっくりしました
star箱庭になった世界観はまるでゲームのようだ

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39.

Le Grand Cahier
Le Grand CahierKristof Agota

Editions du Seuil 1995-03
売り上げランキング : 33949

おすすめ平均 star
star痛みを知り、忘れないこと
starびっくりしました
star箱庭になった世界観はまるでゲームのようだ

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40.

ふたりの証拠
ふたりの証拠アゴタ クリストフ Agota Kristof 堀 茂樹

早川書房 2001-11
売り上げランキング : 17356

おすすめ平均 star
starどーなってんの
starこの事実は真実?それとも?
star作者はなぜこのように書いたのか興味津々

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41.

La Preuve
La PreuveKristof Agota

Editions du Seuil
売り上げランキング : 82050


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42.

第三の嘘
第三の嘘アゴタ・クリストフ 堀 茂樹

早川書房 2006-06
売り上げランキング : 7822

おすすめ平均 star
star精神と肉体に宿る澱
star完結編
star題名の通りです

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43.

Le Troisieme Mensonge (Fiction, Poetry & Drama)
Le Troisieme Mensonge (Fiction, Poetry & Drama)Kristof

Editions du Seuil
売り上げランキング : 243908


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44.

亡国のイージス〈上〉
亡国のイージス〈上〉福井 晴敏

講談社 2002-07
売り上げランキング : 19842

おすすめ平均 star
star後半は面白いけれども…
star圧倒的なスケールにびっくり
star私には合わないなぁ

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45.

亡国のイージス〈下〉
亡国のイージス〈下〉福井 晴敏

講談社 2002-07
売り上げランキング : 19232

おすすめ平均 star
star色々言う人はいますが
starとにかく厚いボリュームのデティール
starテンポが良い

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46.

火車
火車宮部 みゆき

新潮社 1998-01
売り上げランキング : 1514

おすすめ平均 star
star好きな女性が他人になりすましていたら?
star強烈なメッセージが伝わる名作
starクレジットカードは怖いですね

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47.

OUT〈上〉
OUT〈上〉桐野 夏生

講談社 2002-06
売り上げランキング : 135790

おすすめ平均 star
starきもだめし
star十年分お腹一杯になります。
starOUT

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48.

OUT〈下〉
OUT〈下〉桐野 夏生

講談社 2002-06
売り上げランキング : 87507

おすすめ平均 star
starきもだめし
star十年分お腹一杯になります。
starOUT

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June 14, 2007

[メモ] 徹夜するほど面白い小説(1)

via はてな
とりあえず、一覧をつくってみる。可能なものは、原書も。

1.

推定無罪〈上〉
上田 公子, スコット・トゥロー, Scott Turow

発売日 1991/02
売り上げランキング 191440

おすすめ平均
2重の構想に脱帽しました
アメリカの小説にあまり馴染みのない人(自分)の感想
犯罪容疑者が第一人称の小説

Amazonで詳しく見る4167527073

2.

推定無罪〈下〉
上田 公子, スコット・トゥロー, Scott Turow

発売日 1991/02
売り上げランキング 192981

おすすめ平均
2重の構想に脱帽しました
アメリカの小説にあまり馴染みのない人(自分)の感想
犯罪容疑者が第一人称の小説

Amazonで詳しく見る4167527081

3.

Presumed Innocent
Scott Turow

発売日 1993/05
売り上げランキング 31896

おすすめ平均
2重の構想に脱帽しました
アメリカの小説にあまり馴染みのない人(自分)の感想
犯罪容疑者が第一人称の小説

Amazonで詳しく見る0446359866

4.

極大射程〈上巻〉
スティーヴン ハンター, Stephen Hunter, 佐藤 和彦

発売日 1998/12
売り上げランキング 404

おすすめ平均
面白いです。
最高に楽しめるミステリー
呆れるほど面白い

Amazonで詳しく見る4102286055

5.

極大射程〈下巻〉
スティーヴン ハンター, Stephen Hunter, 佐藤 和彦

発売日 1998/12
売り上げランキング 239

おすすめ平均
面白いです。
最高に楽しめるミステリー
呆れるほど面白い

Amazonで詳しく見る4102286063

6.

Point of Impact
Stephen Hunter

発売日 1993/12/01
売り上げランキング 37

おすすめ平均
面白いです。
最高に楽しめるミステリー
呆れるほど面白い

Amazonで詳しく見る0553563513

7.

蝉しぐれ
藤沢 周平

発売日 1991/07
売り上げランキング 6244

おすすめ平均
こんな風に生きてみたい
時代劇ファン、藤沢ファン以外にも楽しめる
時代小説というか青春の書です!

Amazonで詳しく見る416719225X

8,

塩狩峠
三浦 綾子

発売日 1973/05
売り上げランキング 47149

おすすめ平均
何回読んでも泣きました。
生涯、追われ続ける書
キリスト教の素朴な良さを伝える書

Amazonで詳しく見る4101162018

9.

屍鬼〈1〉
屍鬼〈1〉小野 不由美

新潮社 2002-01
売り上げランキング : 56714

おすすめ平均 star
starさすが
star美しい少女のかたちをした生き物
star疲れるけど、

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10.

星を継ぐもの
星を継ぐものジェイムズ・P・ホーガン 池 央耿

東京創元社 1980-05
売り上げランキング : 5424

おすすめ平均 star
starダンチェッカー大好き
starどんどん読み進めていける
star面白かったが最後がトンデモ

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11.

Inherit the Stars (Giants Trilogy)
Inherit the Stars (Giants Trilogy)James P. Hogan

Grafton 1989-03-16
売り上げランキング :


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12.

文庫版 姑獲鳥の夏
文庫版 姑獲鳥の夏京極 夏彦

講談社 1998-09
売り上げランキング : 6910

おすすめ平均 star
star京極堂シリーズ第1巻
star「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
star作風を割り切るべきか?

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13.

魍魎の匣―文庫版
魍魎の匣―文庫版京極 夏彦

講談社 1999-09
売り上げランキング : 4904

おすすめ平均 star
starノベルスのこの厚さが愛おしくなる
star不可能犯罪を前にして木場が吼える「何の呪文だ? 俺には効かねえな」
star構成力と伏線とキャラクター性

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14.

文庫版 絡新婦の理
文庫版 絡新婦の理京極 夏彦

講談社 2002-09
売り上げランキング : 12476

おすすめ平均 star
star
star面白いです。
star京極的フェミニズム

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15.

グールド魚類画帖
グールド魚類画帖リチャード・フラナガン 渡辺 佐智江

白水社 2005-06-25
売り上げランキング : 28384

おすすめ平均 star
starおれには口がない、それでもおれは叫ぶ
star悪夢の迷宮で植民地世界の成り立ちを描く

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16.

Gould's Book of Fish
Gould's Book of FishRichard Flanagan

Atlantic Books 2003-03-15
売り上げランキング : 94443

おすすめ平均 star
starRichard Flanagan: Gould`s Book of Fish

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June 13, 2007

現代版国富論

21世紀の国富論
原 丈人

発売日 2007/06/21
売り上げランキング 21212


Amazonで詳しく見る4582833578

ここ最近(もう、約1年か。)、ずっと仕事でお世話になっている方の初の著書。氏はこれまで、約20年以上にかけてベンチャーキャピタリストとして様々なITベンチャーを育ててこられた方で、ボーランド、SCO,ウォロンゴング(TCP/IPプロトコルスタックの初の商用実装)、ユニファイ(RDBMS)、ピクチャーテル(どこの会社の会議室にも置いてある電話会議システム)、フォーティネット(NetScreenの創業メンバーが新規に起こしたセキュリティエッジルータ)、イラストラ(今のPostgreSQLの前身から派生した商用ORDBMS)、Oren(デジタルTV用チップ)、Zoran(DSP)、O-Plus(デジタル画像処理プロセッサ、インテルが買収済み)、XVD(いまやNHKでも採用されているHDのコーデック)といった会社を発掘し育ててこられた方、と言えば、このブログを読んでるような人も少しは親近感が湧くんじゃないかな。

今まで講演会とか、イベントの基調講演でのお話とか、そこで使うプレゼン資料の準備のお手伝いとか、居酒屋で食事をしながらのお話(いや、贅沢なひと時だと思いました。)とかで断片的にしか得られなかった氏の考えが集大成された1冊。僕も校正段階で、ちょびっとだけお手伝いしました。

たとえば、データベースをやってる人にとっては、神様のような存在である、U.C.バークレーのマイケルストーンブレーカー(現在はMITに移ってるらしい)。彼は、今のPostgreSQLの前身となるRDBMS(Ingres)を作った人として有名。Ingresの後継だから、Post-Ingres -> Postgresとなったのは有名かと。
IBMのコッド博士がリレーショナルモデルの論文を発表し、その理論をベースにIBMがSystem RというRDBMSの前身のようなものを開発したんだけど、同じ時期にRDBMSを作ったグループが世の中には他に2つあった。1つは、ラリーエリソン率いる今のOracle Corp.に発展するグループで、残りのもう一つがこのマイケルストーンブレーカーのグループだった。
そんなストーンブレーカー先生が、オブジェクトリレーショナルDBMS(要するに、Postgres、Postgres95に名前を変える前だったと思う。)を商用化するに当たり、投資をお願いしに行ったのが、この原さん、だそうな。

今でこそ、セコイヤとか、かつてのシリコンバレーの成功者たちが興したベンチャーキャピタルの名前がニュースにも出てくるようになったけど、立場上あまり表舞台に出てこないが、シリコンバレー、あるいはIT産業の発展のウラに、原さんのような日本人がいたことは、実はあまり知られていないし、驚きに値するんじゃないか、と。

日本の財務省のアドバイザーとか、政府税調特別委員でもある氏の立場上、日本のエスタブリッシュメントがターゲットだし、我々のような下っ端エンジニアとは全く見ている視点もスケールも違うけれども、わが国の上層部には、こういう人もいるんだ、ということが分かるので、ぜひとも僕と同世代の人たちにも読んで欲しいと思います。

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June 8, 2007

ITアーキテクトとは

なんかの仕事の現場で聞いたのか、何か読んで知ったのか定かではないが、
「ITアーキテクトって何するんですか?」
「システムを.Netで作るか、Javaで作るか決めるのが仕事だ」
みたいなやり取りが記憶にある。
そんなおバカさんにこそ、読んで欲しいこの1冊。

計算不可能性を設計する―ITアーキテクトの未来への挑戦
神成 淳司 宮台 真司

4901391801

関連商品
幸福論―〈共生〉の不可能と不可避について
ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2
現代思想入門 グローバル時代の「思想地図」はこうなっている!
サブカルチャー神話解体 増補―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在
東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム
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April 24, 2007

ソーシャル・ウェブ入門

ソーシャル・ウェブ入門―Google、mixi、ブログ…新しいWeb世界の歩き方
ソーシャル・ウェブ入門―Google、mixi、ブログ…新しいWeb世界の歩き方滑川 海彦

技術評論社 2007-04
売り上げランキング : 184

おすすめ平均 star
star大人の薀蓄ノウハウ本
star「六宮の粉薫、顔色なし」−マクルーハンの再来
star面白くてためになる

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早速読了。
これ、いいですねぇ。よくまとまってます。
本書の中でも(バッテル本とか、スロウィッキー本といった類書からも引用した上で順序だててまとめられているので、こういった本を読んでいない人でも改めて、昨今のウェブ2.0界隈の話題や、世の中の動き、トピック、裏話的な部分まで、まとめておさらいすることができる。

なので、この辺に詳しいエンジニアやインターネットジャンキー、あるいはアーリーアダプター向けでは全くなく、フォロワーを対象としたものである。そういう意味では、梅田さんのウェブ進化論と大きくかぶる。しかし、梅田本が、学術書とすると、本書は、実用書といった装いで、記述もとっても具体的。
というわけで、技術者でない、インターネットヘビーユーザ(あるいは、ヘビーユーザ予備軍)の方、もしくは、大学院の宿題で、「マーケティング的観点から見たSNS論」を私と夜な夜なスカイプ使って議論した某女史、オススメです。

で、1つだけ難点というか。
我々のような人種の間では、「基本だろ。」で一蹴される論文、「The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine by グーグルの二人」に一般書の中で言及するの、ってどうなのよ、と思います。

あ、弾さんところでも、べた褒めでした。納得。

「みんなの意見」は案外正しい
「みんなの意見」は案外正しいジェームズ・スロウィッキー 小高 尚子

角川書店 2006-01-31
売り上げランキング : 29431

おすすめ平均 star
star実現は難しいか?
star「みんなの意見」はたいてい正しくない
star疑問だらけ

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The Wisdom Of Crowds
The Wisdom Of CrowdsJames Surowiecki

Anchor Books 2005-08-16
売り上げランキング : 16360

おすすめ平均 star
star詳しすぎたかも

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ザ・サーチ グーグルが世界を変えた
ザ・サーチ グーグルが世界を変えたジョン・バッテル 中谷 和男

日経BP社 2005-11-17
売り上げランキング : 87303

おすすめ平均 star
star活き活きと描かれているが、今となっては内容の鮮度も落ちている
star遅れてきたネットの支配者
star検索をビジネスにした人たちの物語

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The Search: How Google And Its Rivals Revwrote the Rules of Business And Transformed Our Culture
The Search: How Google And Its Rivals Revwrote the Rules of Business And Transformed Our CultureJohn Battelle

Portfolio 2006-09-26
売り上げランキング : 4362


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ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる梅田 望夫

筑摩書房 2006-02-07
売り上げランキング : 803

おすすめ平均 star
star読んでおいた方がいい本
starなんてこった・・・
star面白いが怖くもある

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April 2, 2007

虚構 − 堀江と私とライブドア

虚構―堀江と私とライブドア
宮内 亮治

4062140233

関連商品
ヒルズ黙示録・最終章
ボクがライブドアの社長になった理由
編集者という病い
ヒルズ黙示録―検証・ライブドア
年俸5億円の社長が書いた 儲かる会社のすごい裏ワザ
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とりあえず読了。あとで書く。
一般的に、マスコミで流される情報というのは、うがった見方しまくり、というか、バイアスかかりまくり、というか、ニュースの都合のいいように脚色されているので、こういった本人による手記というのは、とても面白い。
罪を認めた宮内がいい子で、否認している堀江は悪い子、といった単純な話ではなく、自分はそういうつもりはなかったけど、検察の言うような見方もできる、と罪を認め、さらに、否認を続け、自分を攻撃する堀江に対しても、裁判の弁護戦略上、当然ありうる、とこれも認め、早くも罪を償った上での再出発に目を向けているあたりはさすがです。
被告が実刑になるような事件はよい国策捜査じゃないんだよ。」という言葉を信じるのであれば、図らずも実刑判決が下ってしまった、下手な国策捜査となってしまったのは想定外だとしても、刑期を務め上げた後は、ぜひ活躍していただきたい、と思う。

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April 1, 2007

次世代ウェブ

次世代ウェブ グーグルの次のモデル
佐々木 俊尚

次世代ウェブ  グーグルの次のモデル
光文社 2007-01-17
売り上げランキング : 37273

おすすめ平均 star
starすでに分かりきっている"次世代"
starまったく次世代の話をしていない
star日本企業の紹介例が多いです。Netビジネスの将来のポイントが描かれています。

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とりあえず、読了。あとで書く。

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January 24, 2007

獄中記

獄中記
獄中記佐藤 優

岩波書店 2006-12
売り上げランキング : 360

おすすめ平均 star
starブック・ガイドとしても魅力的
star成熟のプロセス
star久しぶりに読む国家との喧嘩の作法

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国家の罠〜外務省のラスプーチンと呼ばれて,国家の自縛に続けて本書を読んだ。 著者は、獄中、読書、思索、勉強を続け、毎日の知的活動をひたすらメモに記録した。その記録を元に、逮捕されるまでの外交官としての活動と、逮捕後の検察官との攻防を記録した国家の罠は、保釈後にまとめたもの、その後の国家の自縛は、対談を記録したもの。そして本書は、獄中のメモ、日記、弁護団に宛てた書簡、あるいは知人、外務省の後輩に宛てた書簡等を時系列にまとめたものである。当然ながら、記されている筆者の考え等は、前著2冊とかぶるのだが、その『獄中で書いている』という臨場感はすさまじい。 とはいえ、拘置所外部へ宛てた書簡等はすべて検閲されるので、事件の核心に迫るような記述は一切排除されており、メインは著者の獄中生活を支えた、学習記録、読書記録、思索メモである。私自身、哲学、宗教、思想分野には全く明るくないが、この分野を志す人には最適な読書案内書となるのではないか、と思う。 よくも悪くも、獄中の日記、書簡等を時系列に並べただけ(但し、脚注の充実ぶりには目を見張るものがある)のものであり、一見読みにくそうではあるが、著者の獄中日記の部分と、外部へ宛てた書簡部分のフォントを区別するなど、装丁上の工夫も見られ、比較的読みやすい。 以下、気になった部分の抜粋。
政治犯罪はいかなる国家にもどの時代にもある。戦前の日本には治安維持法があったから状況はわかりやすかった。戦後は、政治犯は存在しないという建前となっているので、政治犯罪を経済犯罪に転換するという作業が必要になる。それで贈収賄、背任、偽計業務妨害のような犯罪がつくられていくのだ。
建前上は政治犯の存在を認めていない戦後日本で、経済犯罪にマッピングして摘発する、という考察には、「なるほど!」とうなってしまった。こういう見方をすると、なぜライブドアが摘発されたか、ライブドアよりも多額の粉飾決算を行っている会社が摘発されないのか、理解ができるような気がする。
かつて行った政治的行為が後に「犯罪」であると断罪されることは、それ程珍しくない。問題は何故にそのような価値観の転換がなされるかということである。ここで個人は記号化、象徴化され、一つの時代の責任を負わされる。重要なことは、このような価値転換の背景にあるパラダイム(位相)の転換を見極めることである。
確か中世の大学では、書籍は一冊ずつ与えられ、それを筆写するか暗記するまでは次の本が与えられなかったはずである。
(仕事に関係する分野で)一冊の本をじっくり読むという機会から遠ざかっているものとしては、とても耳の痛い話である。
シュバイツアーが神学者から医師に転換したのが40台はじめ、夏目漱石が学者から小説家に転換したのが40歳であった
夏目漱石が『吾輩は猫である』の中で、猫に「日本人はなぜすぐに謝るのか。それはほんとうは悪いと思っておらず、謝れば許してもらえると甘えているからだ」と言わせています。(中略)私や鈴木先生のとった行動が正しかったか否かを判断するのは歴史であり、政治化した裁判所ではありません。司法官僚相手にエネルギーを使うことが率直に言って時間の無駄に思えてなりません。
素人が専門家の世界に口出しすべきではないとの原則をもっています。
私が学術書を精読するときは、同じ本を三回、それも少し時間をおいて読むことにしています。 第一回目、ノートやメモを取らず、ときどき鉛筆で軽くチェックだけをして読む。 第二回目、抜粋を作る。そして、そのとき、内容を採光性した読書ノートを作る。 第三回目、理解が不十分な箇所、あいまいな箇所についてチェックする。 このような読み方をすると、10年経っても内容を忘れることはありません。
私の場合、速読とはペラペラと頁をめくりながらキーワードを焼きつけていく手法です。目次と結論部分だけは少しゆっくり読みます。(中略)そして、ワープロで、読書メモを作ります。
人間の「知」は、その時代、時代に対応する流行の衣装をもっていますが、その身体はそれほど変改しないというのが私の仮説です。
この本ではなく、国家の罠にあった、国策捜査に対する検察官の考え方がとても印象に残っているので、抜粋しておく。
「ただね、国策捜査の犠牲になった人に対する礼儀というものがあるんだ」
「どういうこと」
「罪をできるだけ軽くするということだ。形だけ責任をとってもらうんだ。」
「よくわからない。どういうこと」
「被告が実刑になるような事件はよい国策捜査じゃないんだよ。うまく執行猶予をつけなくてはならない。国策捜査は、逮捕がいちばん大きいニュースで、初公判はそこそこの大きさで扱われるが、判決は小さい扱いで、少し経てばみんな国策捜査で摘発された人々のことは忘れてしまうというのが、いい形なんだ。国策捜査で捕まる人たちはみんなたいへんな能力があるので、今後もそれを社会で生かしてもらわなければならない。うまい形で再出発できるように配慮するのが特捜検事の腕なんだよ。だからいたずらに実刑判決を追求するのはよくない国策捜査なんだ。」
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January 19, 2007

国家の罠〜外務省のラスプーチンと呼ばれて〜

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて佐藤 優

新潮社 2005-03-26
売り上げランキング : 807

おすすめ平均 star
star「罪と罰」
star歴史的評価はさしおいて星五つ。
star事件の渦中の周囲の人々

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とにかく、すごい本である。

いや、違う。すごい方だ。

出版された当初は、ベストセラーになったのでご存知の方も多いと思われる。鈴木宗男衆議院議員に絡む国策捜査で逮捕された外務省職員による手記である。

実は、本書の著者、佐藤優氏の最近でた本、「獄中記」を本屋で手に取り、「いや、こっち先に読まな、意味ないやろ。」と合わせて入手したもの。

好きな映画といえば、「告発」「ショーシャンクの空に」、記憶に残るノンフィクションといえば、「告白」と、僕は刑務所ものが好みらしい。

さて本書は、基本的に外交官活動時代を記した前半部と、検察官とのあくまで紳士的な、しかし熱い戦いの様子を収めた後半部に分けられるが、全体を通して特筆すべきことは、(国策捜査の被害者であ\る、という著者の主張を尊重すれば)自身に降りかかった災難に対して、これほどまでに、冷静でいられるのか、というほどの冷淡さ、そして客観的な視線による詳細な記述である。

著者は、獄中で読んだ「太平記」に倣い、歴史的事実を詳細に記載することを選んだとしている。もちろん、著者には、犯罪を犯した、という自覚はなく、あくまで国策捜査として嵌められたとの立場を一貫しているからだと思うが、この精神的な強固さについては、目を見張るものがある。さらに、逮捕され、自身の弁護人と接見した際に、弁護士に伝えた、弁護方針であるが、

「私から弁護方針としてお願いしたいのは、第一に国益を優先し、日本外交に実 害が及ばないようにすること、第二に特殊情報(評者注:つまり、外交上の国家 機密事項、いわゆるインテリジェンス)関連の話が表に出ないようにすること、 第三に鈴木宗男先生と私(評者注:著者)の利害が対立する状況になったら、鈴木 先生の利益を優先すること。それでお願いします。」

という発言をしている。自分自身の無罪よりも、国益、国家機密、情報を扱う自身の人的ネットワークを優先したのである。

もちろん、著者自身、情報のプロであり、氏に関する裁判そのものは、まだ控訴中であり終わったわけではないから、裁判を闘う上での巧みな戦略の一環のひとつである、という解釈も可能であるが、一般人にはあまり知られていない「外交」というわかっているようで全くわからない世界を覗かせてくれる本書は、知的にも大変刺激的なものだ。

面白い部分をかいつまんでみると、

「外交官には、能力があってやる気もある、能力がなくてやる気がある、能力は あるがやる気がない、能力もなくやる気もないの四カテゴリーがあるが、そのう ちどのカテゴリーが国益に一番害を与えるか(中略)、能力がなくてもやる気のあ るのが、事態を紛糾させるのでいちばん悪い」
おお、プロジェクトマネジメントと同じだ。
「日本人の実質識字率は5%だから、新聞は影響力を持たない。ワイドショーと 週刊誌の中吊り広告で、物事は動いていく。」

ビルゲイツが言った「プログラムを書けるのは、上位5%の秀才だけだ」と言っ
てることが同じだ。

どういう文脈で出てきたのかについては、本書をお読みください。

ちなみに、梅田さんウェブ人間論の中で言及している、「中学、高校の上位5人ぐらいのレベルの知恵を集めるような仕組み云々」というのも、ひょっとしたらこの5%論とかぶるのかもしれない。

なお、「外交」という意味では、本書を読むにあたってとても参考になる本がある。

日本国初代大統領桜木健一郎―独立編 (Vol.1)
日本国初代大統領桜木健一郎―独立編 (Vol.1)RYU 日高 義樹

集英社 1999-12
売り上げランキング : 310624

おすすめ平均 star
star良質の政治漫画
star分かり易い内容です

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マンガだけど、外交とは何か、というのをわかりやすく説明してくれるし、
私としては、佐藤優氏と、このマンガの主人公、桜木健一郎がとてもかぶるのだ。

以下、本書の中で出てきた、参考文献メモ。

われらの北方領土〈〔1983〕〉 (1983年)
われらの北方領土〈〔1983〕〉 (1983年)
外務省情報文化局国内広報課 1983-03
売り上げランキング :


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北方領土問題―歴史と未来
北方領土問題―歴史と未来和田 春樹

朝日新聞社 1999-03
売り上げランキング : 216591

おすすめ平均 star
star北方領土問題を考える上で最良の参考書です
star北方領土問題と今後のロシアとの関係

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スパイのためのハンドブック
スパイのためのハンドブックウォルフガング・ロッツ 朝河 伸英

早川書房 1982-03
売り上げランキング : 21553

おすすめ平均 star
starタイトルそのままの本です
starスパイに憧れた日が懐かしい
star諜報部員の生活の一端がわかる

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小型聖書 旧約続編つき - 新共同訳
小型聖書 旧約続編つき - 新共同訳
日本聖書協会 1998-01
売り上げランキング : 228387


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新編日本古典文学全集 (54) 太平記 (1)
新編日本古典文学全集 (54) 太平記 (1)長谷川 端

小学館 1994-09
売り上げランキング : 153344


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精神現象学 (上)
精神現象学 (上)G.W.F.ヘーゲル

平凡社 1997-06
売り上げランキング : 6544

おすすめ平均 star
star精神現象学 上
starへーゲリアン、必読!

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真説 ラスプーチン 上
真説 ラスプーチン 上沼野 充義 望月 哲男

NHK出版 2004-03-27
売り上げランキング : 297488

おすすめ平均 star
starロシアの白い闇

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沈黙
沈黙遠藤 周作

新潮社 1981-10
売り上げランキング : 29649

おすすめ平均 star
starキリスト教徒として書かせてもらう
star本を読む意義を再認識させられる一冊 
star泣けるラストシーン

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拘置所で著者のご隣人だった死刑確定囚の獄中手記
(これを具体的に挙げるのはさすがにルール違反かな、と。)

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May 20, 2006

人生を豊かにする1冊@文藝春秋

こっちは、同じ記事にある、「人生を豊かにする1冊」。こちらもリストのみ。評文、評者等は直接記事を参照ください。

複数の評者がそれぞれ選んでいるので、重複もあるし、前述(仕事に生きる本)ともダブりがあります。

漆の実のみのる国〈上〉漆の実のみのる国〈上〉
藤沢 周平

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新しきこと面白きこと―サントリー・佐治敬三伝新しきこと面白きこと―サントリー・佐治敬三伝
廣澤 昌

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あかね空あかね空
山本 一力

by G-Tools
一生感動 一生青春一生感動 一生青春
相田 みつを

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海峡の霧海峡の霧
辻 邦生

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ヘッセ詩集ヘッセ詩集
H. ヘッセ Hermann Hesse 片山 敏彦

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渋江抽斎    岩波文庫渋江抽斎 岩波文庫
森 鴎外

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坂の上の雲〈1〉坂の上の雲〈1〉
司馬 遼太郎

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新訂 孫子新訂 孫子
金谷 治

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人間良寛人間良寛
渡辺 三省

by G-Tools
国家の品格国家の品格
藤原 正彦

by G-Tools
絢爛たる影絵―小津安二郎絢爛たる影絵―小津安二郎
高橋 治

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学問の創造学問の創造
福井 謙一

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西行花伝西行花伝
辻 邦生

by G-Tools
教育の忘れもの―東京の学生寮・和敬塾教育の忘れもの―東京の学生寮・和敬塾
上坂 冬子

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ながい坂 (上巻)ながい坂 (上巻)
山本 周五郎

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人間 この未知なるもの人間 この未知なるもの
アレキシス カレル Alexis Carrel 渡部 昇一

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剣客商売剣客商売
池波 正太郎

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組織内一人親方のすすめ―プロ人材に自分で育つ方法組織内一人親方のすすめ―プロ人材に自分で育つ方法
関島 康雄

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中国古典名言事典中国古典名言事典
諸橋 轍次

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エセー〈1〉エセー〈1〉
ミシェル・エイクム・ド モンテーニュ 原 二郎

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「漱石の美術愛」推理ノート「漱石の美術愛」推理ノート
新関 公子

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人間的強さの研究人間的強さの研究
小島 直記

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生き方―人間として一番大切なこと生き方―人間として一番大切なこと
稲盛 和夫

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Rothschild Gardens: A Family's Trbute to NatureRothschild Gardens: A Family's Trbute to Nature
Miriam Rothschild Lionel De Rothschild Kate Garton

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田中正造之生涯田中正造之生涯
木下 尚江

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この国のかたち〈1〉この国のかたち〈1〉
司馬 遼太郎

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ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)    新潮文庫ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) 新潮文庫
塩野 七生

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論語論語
金谷 治

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鬼平とキケロと司馬遷と―歴史と文学の間鬼平とキケロと司馬遷と―歴史と文学の間
山内 昌之

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仕事に生きる本@文藝春秋

同じく、文藝春秋にあった記事。経営者の方へのアンケート結果をまとめたもの。とりあえず、ここで挙げられている本をまとめておく。評文、評者等は記事を直接参照ください。

こうして、並べてみてみると、結局、即効性があるように思われるHowTo本の類はあんまりなくって、あくまでも、「古典」と言われる、人類の英知、知的財産の類が多勢を占めているということがわかると思う。

実践経営哲学実践経営哲学
松下 幸之助

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「失敗学」事件簿 あの失敗から何を学ぶか「失敗学」事件簿 あの失敗から何を学ぶか
畑村 洋太郎

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あかね空あかね空
山本 一力

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モノづくりのこころモノづくりのこころ
常盤 文克

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中国経済のジレンマ中国経済のジレンマ
関 志雄

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成功への情熱―PASSION成功への情熱―PASSION
稲盛 和夫

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論語論語
金谷 治

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人を動かす 新装版人を動かす 新装版
デール カーネギー Dale Carnegie

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史記〈1〉覇者の条件史記〈1〉覇者の条件
司馬 遷 市川 宏 杉本 達夫

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坂の上の雲〈1〉坂の上の雲〈1〉
司馬 遼太郎

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海舟余波―わが読史余滴海舟余波―わが読史余滴
江藤 淳

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決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈上巻〉決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈上巻〉
ポール ケネディ Paul Kennedy 鈴木 主税

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炎の陽明学―山田方谷伝炎の陽明学―山田方谷伝
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新しきこと面白きこと―サントリー・佐治敬三伝新しきこと面白きこと―サントリー・佐治敬三伝
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経営者の教科書―実践しなければならない経営の基本100経営者の教科書―実践しなければならない経営の基本100
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巨大市場と民族主義―中国中産階層のマーケティング戦略巨大市場と民族主義―中国中産階層のマーケティング戦略
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最後の将軍―徳川慶喜最後の将軍―徳川慶喜
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新・日本の経営新・日本の経営
ジェームス・C・アベグレン 山岡 洋一

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経営者になる 経営者を育てる経営者になる 経営者を育てる
菅野 寛

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富の活動富の活動
安田 善次郎

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ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
ジェームズ・C. コリンズ ジェリー・I. ポラス James C. Collins

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第三の波第三の波
アルビン・トフラー 徳岡 孝夫

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会社はこれからどうなるのか会社はこれからどうなるのか
岩井 克人

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日本のもの造り哲学日本のもの造り哲学
藤本 隆宏

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ドラッカー 365の金言ドラッカー 365の金言
P.F.ドラッカー 上田 惇生

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April 25, 2006

Yet another グーグル本

グーグル―既存のビジネスを破壊する
グーグル―既存のビジネスを破壊する佐々木 俊尚

文芸春秋 2006-04
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本を出版するまでの過程を考えると、期せずしてたまたま似たようなネタの本が重なっただけだとは思うが、梅田さんウェブ進化論と同じく、Googleという怪物をいろんな具体例を用いて分析しくのが本書である。著者はジャーナリズムに足場を置く佐々木俊尚氏。氏は、以前に書いた朝まで生テレビのライブドアの回のときにも出ておられたジャーナリスト。
Googleという会社を分析する、という全く同じテーマでこうも違うか?と驚くほど、全く違ったまとめ方になっている両書ではあるが、どちらが優れているか、劣っているか、あるいは好き嫌い、なんてものではなく、2つの異なった視点から同じテーマを扱った本が2冊読める、という贅沢さを味わいながら、どちらも読むべし。

うーん、一回データが消えたので再度書き直したんだが、やはり、同じような文章は二度と書けない。

Posted by money at 1:08 AM | Comments (1) | TrackBack

April 20, 2006

エンジニアの視線で語る次世代メディア論

IT屋―技術力がもたらす、ほんとうのメディア革命
IT屋―技術力がもたらす、ほんとうのメディア革命棚橋 淳一

宣伝会議 2006-03
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でじゃというビデオオンデマンドなさービスがある。昨今のストリーミング配信による動画サービスに異を唱え、パソコンモニタではなく、あくまでテレビで視聴することを前提とした動画配信サービスである。一介の半導体エンジニアだった本書の著者が、理想とする動画配信サービスを追い求め、サービス立ち上げまでのいきさつと、著者本人が目指そうとするメディア論、コンテンツビジネス論が、あくまでエンジニアの立場からふんだんに語られた1冊。ボリューム的には、著者が立ち上げた、この「でじゃ」というサービスそのものの宣伝的要素が高いが、既存のものや他社の動画配信サービス、一連の通信と放送との融合論に対し疑問を投げかけ、それに対する著者自身の考え、その結果として実現された「でじゃ」というサービスの紹介という流れを考えると仕方がない。私は今までこの「でじゃ」というサービスそのものの存在を知らなかったが、今後の発展がとても楽しみとなった。本書を読んでいて、著者の方はエンジニアという立場に誇りを持ちつつ、やや控えめな方のようにお見受けした。なんかぜひ一度お会いしてみたいと思った次第。

Posted by money at 6:38 PM | Comments (0) | TrackBack

スケールフリーネットワークとは

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解くアルバート・ラズロ・バラバシ 青木 薫

NHK出版 2002-12-26
売り上げランキング : 8,251

おすすめ平均 star
starさまざまに応用可能なネットワーク理論
star牽強付会?
starリンクされると変化が起こる

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最近とみに話題に挙がるようになってきた、スケールフリーネットワークだとかべき法則といった言葉。そういった言葉に対する疑問を解決してくれるのが本書だ。それまでネットワークはランダムであるという前提で語られてきたが、実際はそうではない。ランダムNWであれば、ウェブサイトの各々が外部からリンクを張られる確率は全て等しい。また、研究者の評価というのは自分の論文が他者の論文にどれだけ引用されたか、で決まるのだが(これをウェブサイトの評価に応用したのがグーグルのページランクアルゴリズムであることは有名)、ランダムNWであれば、論文が引用される確率は全て等しい。しかし実際はそうではなく、特定のウェブサイトにリンクは集中するし、特定の論文だけが繰り返し引用される。こういった、それまでのネットワークという構造に関する前提を否定し、特定のノードに集中することを学問的に説明したものが、スケールフリーネットワークである。このスケールフリーネットワークについて、「世界の人々は6次の隔たりで全てつながるのはなぜか?」といった一般の人にもわかりやすい例を用いて説明してくれているのが本書である。
同じ話題で、Kogai氏のエントリでは、こちら、

「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ
「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ増田 直紀 今野 紀雄

講談社 2006-02
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の本が紹介されているが、この本を読んだ後で、本書を読むのがいいのかも。

Posted by money at 1:38 PM | Comments (0) | TrackBack

March 27, 2006

Life hacks Press

4774127280Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~
田口 元 安藤 幸央 平林 純
技術評論社 2006-03-23

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正直、よくこんな雑誌の企画が通ったなぁ、という意味で技術評論社編集部の英断に拍手。
5年以上前に、SD編集部の方に、「オブジェクト指向の方法論に特化して、オブジェクトプレス出しません?」みたいな話をしたことがあるけど、忘れたころに「UMLプレス」なんてものを出しちゃう出版社だしなぁ。すげーよ。(いや、僕の発言とUML Press発刊の間に相関性はたぶんありません。)

GTDの話にしても、マインドマップの話にしても、取っ掛かりとしてとてもわかりやすい解説になってます。個人的には、もっとlifehacksネタを突き詰めて欲しかった面も無きにしもあらずではあるが、まぁ、最初の1冊目なので仕方ないのかと。次に期待してます。(>誰?)

何より一番びっくりしたのは、著者陣の中で異様なまでのモールスキン派率の高さでしょうか?意外とブロックロディア派を見かけないのはちと寂しい。

GTDをすでに読んでる人には物足りないかも知れないが、邦訳がやや読みづらいので、邦訳を挫折した、でも原書に手を出すのはなぁ、という人、あるいは、トニーブザンのマインドマップ本を読もうかなぁと思ってる方、さらに、勉強会を主催したい!という方には、おススメです。

4893613332仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法
デビッド・アレン
はまの出版 2001-09

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4478760993ザ・マインドマップ
トニー・ブザン 神田 昌典
ダイヤモンド社 2005-11-03

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Posted by money at 4:46 PM | Comments (0) | TrackBack

影日向に咲く

4344011023陰日向に咲く
劇団ひとり
幻冬舎 2006-01

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短いし、難しくもないので、さくっと読了。
確かに、あちこちで絶賛されるのはわかりますねぇ。それなりに、物語の構成もうまいし、ちゃんとオチもついてる(これは、芸人のサガ?)
社会の底辺とされる人々にスポットをあて、それぞれの一人称による手記のような形で物語が進んでいく。しかも、それぞれの短編が微妙な形でつながっている、というのは、読みながら、「ほー、そうきますか!」と思わせてくれる。

まぁ、もともと一人称で語らせる、という形をとってる以上、第3者の視点というか、客観的な情報がどうしても欠けるので、物語の奥行きに欠ける点はどうしようもないのかも。

そういう意味で、小説としての掘り下げ方は浅いといわざるを得ない。
また、この一人称で語らせる、というのは、「劇団ひとり」のネタの延長線上にあるので、できれば、違う形式で第2弾、第3弾も読んでみないことには、って感じ。

本屋で平積みを見かけるたびに、買おうかどうしようか悩んでるのがめんどくさいので買ってしまったのだが文庫落ちを待つのでもよかったかな、と思う
(という評価を下すのは、買って読んだからこそできているわけでいまさら意味ないのだが。。。)

だから、本を買うのは難しい。

Posted by money at 1:10 AM | Comments (0) | TrackBack

March 26, 2006

book

買っちゃいました。

4344011023陰日向に咲く
劇団ひとり
幻冬舎 2006-01

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あと、当然ながらこれも。

4774127280Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~
田口 元 安藤 幸央 平林 純
技術評論社 2006-03-23

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レビュー、感想についてはまた後日。僕のお知り合いな著者の方々、今度サインください。

Posted by money at 1:56 PM | Comments (0) | TrackBack

March 19, 2006

Web2.0 Book

4844322265Web2.0 BOOK
小川 浩(サイボウズ株式会社) 後藤 康成(株式会社ネットエイジ)
インプレス 2006-03-01

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Web2.0を始めとする昨今の動きを総括するような本。どこかのサイトで、「梅田さんのWeb進化論が教科書だとすると、この本は参考書」というたとえを見た記憶がある(どこだったっけかな)が、前者がWeb2.0企業の代表格とされるGoogleにスポットをあて、Googleを中心に、深く掘り下げ、さらに論理付けをし、将来の方向性を俯瞰しようとする姿勢が見て取れるのに対し、本書はどちらかと言うと、Web2.0企業とされている大小さまざまな企業、サービスの紹介、新しい言葉の解説に終始しているような、そんな印象を受ける。なので、そういった方面を常日頃から追いかけている向きにとっては、とっても物足りないだろうし、内容も薄っぺらいと見られる可能性もある。特に新しいことを書いているわけでもないので、いまさら読む必要はないかも知れない。でも、例えば、「Web2.0って何?」って話を同僚や後輩から振られたり、上司に説明したりする必要が生じた場合に、「これ読んどけ」で済ませられるという意味では貴重な本。

でも、そういう一般的な人向けっぽいんだけど、でも技術的な話に偏ってるのは確かなので、確かに微妙。個人的には頭の中を整理するのにはとても役に立ちました。

Posted by money at 2:38 PM | Comments (0) | TrackBack

March 13, 2006

ダ・ヴィンチ・コード

ずっと気にはなっていたが、なぜか手を出してなかったダ・ヴィンチ・コード。盗作疑惑も持ち上がっており、発禁処分になるのが先か、文庫発売が先か、ハードカバーで買っておくべきか、文庫落ちまで待つか、大変悩みました。結果、予定通りの3/10に文庫本が平積みされているのを発見。早速上巻中巻下巻をまとめて入手。で、さくっとまとめて読了。

話的には、昔からよくあるキリスト教近辺の陰謀説をテーマとした謎解き系ミステリィなので、新鮮味はないけど、さすがにベストセラーになるだけのことはあります。読み出すと止まらなくなってしまうほど引き込まれてしまう。雰囲気的には、ウンベルト・エーコのフーコーの振り子とか高橋克彦の竜の柩を足して割ったような感じなので、これらが楽しめた方はおススメ。逆に、この両者を読まずに、ダビンチコードを読んで楽しめた方には、ぜひ高橋克彦を読んでいただきたい。

4042955037ダ・ヴィンチ・コード(上)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
角川書店 2006-03-10

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4042955045ダ・ヴィンチ・コード(中)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
角川書店 2006-03-10

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4042955053ダ・ヴィンチ・コード(下)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
角川書店 2006-03-10

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416725445Xフーコーの振り子〈上〉
ウンベルト エーコ Umberto Eco 藤村 昌昭
文藝春秋 1999-06

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4396325754竜の柩〈1〉聖邪の顔編
高橋 克彦
祥伝社 1997-07

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Posted by money at 1:28 PM | Comments (1) | TrackBack

March 3, 2006

劇団ひとりの小説

陰日向に咲く
陰日向に咲く劇団ひとり

幻冬舎 2006-01
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どっかのホンモノ作家が、「普通に、直木賞を狙えるレベルです」って評価したらしいけど、そんなにいいの?

Posted by money at 1:35 AM | Comments (0) | TrackBack

February 22, 2006

断絶の時代

ついに読了。
久しぶりのヘビーな大作でしたが、20世紀最大の知の巨人と言われる著者が「知の巨人」と言われる所以がわずかにもわかったような気がします。
もちろん、すべてを理解したとは言えず、とりあえず、ドラッカーの著書が読了できた、という充実感が勝ってるってのはやはり問題か。
読み進めていく中でとても意識してたのは、「これって、40年前に書かれた本だよねぇ?」ってこと。
読んでいく中で、今、現在の話が進められている感覚に陥るのをブレーキしつつ、冷静に読み進めるのは正直つらかった。

ぜひ、この本がすらすら理解できるようになれるように精進したいものである。3年ごとにに再読し、自分自身の成長度合いを測るゲージとすべき1冊である、と直感した。

最近は、なかなか入手が難しいので、欲しい人はお早めに。私は、たまたまブックオフにて遭遇。

断絶の時代―いま起こっていることの本質
断絶の時代―いま起こっていることの本質P.F. ドラッカー Peter F. Drucker 上田 惇生

ダイヤモンド社 1999-09
売り上げランキング : 68,582

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すでに起こった未来―変化を読む眼 未来への決断―大転換期のサバイバル・マニュアル ポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるか 明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命 [新訳]新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか

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February 11, 2006

スティーブジョブズ 偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活
スティーブ・ジョブズ-偶像復活ジェフリー・S・ヤング ウィリアム・L・サイモン 井口 耕二

東洋経済新報社 2005-11-05
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レボリューション・イン・ザ・バレー―開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏 スティーブ・ジョブズの再臨―世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活 ザ・サーチ グーグルが世界を変えた The Cult of Mac Mac OS進化の軌跡―パーソナルコンピュータを創ったOSの実像

ようやく読了。
やっぱり、ジョブズ、すごいです、という感想しか出てこない。
基本的に、ジョブズの半生をドキュメンタリー的に記したものであり、これまでいろんなところで書かれてきたアップル社の誕生から、追い出されるまで、さらに、NeXTの立ち上げとピクサーの立ち上げ、ディズニー社との確執、アップル社への復活、iTunes, iPod,iTMSによる音楽業界への進出。さすがに、今回のディズニーによる買収の話までは、本書ではトレースできてはいないが、この結果を知りつつ、この結果が得られる前の段階に書かれた本書を読むことで、とても面白い裏話を読んでいるよな気分になる、とってもお得な一冊。

ちなみに、僕が高校時代に読んで、この業界を志すきっかけとなった、スティーブン・レビーのハッカーズと良く似たテイストをかもし出しており、同じくハッカーズが楽しめた方、ジョブズマンセーな方、マック信望者の皆様、買ってもいいです。

ちなみに、僕がこの業界を目指すきっかけとなった本は、上記の「ハッカーズ」(1987年刊)と第五世代コンピュータ―日本の挑戦(1983年刊)の二冊です。この二冊がなかったら今の僕はありません。 でも、この二冊がきっかけとなっていながら、人工知能に興味を持たなかったのは我ながらとっても不思議です。

Posted by money at 2:12 AM | Comments (3) | TrackBack

February 10, 2006

世界政府というものが仮にあったとしたら

そこで必要となるシステムはすべてグーグルが作る。

梅田さんの本にあった、グーグルの掲げるビジョンだが、そうすると、目指すは、世界統一通貨ってことになるんだろうなぁ。グーグルアドセンスを利用した、富の再分配からスタートし、決済システムを開発中との話もある。ってことは残りは、グーグルオリジナルのポイントシステムだろう。実際に、日本でも投げ銭とか、Paypalを使ったドネーションとかがあるけど、グーグルというネット上の巨大な信用創造機関を背景としたポイントなるものが仮に用意され、例えばブログ上でトラックバックしたり、リンクすると同時にポイントが交換可能になるとしたら、これは、まさしく世界統一通貨の誕生、ということになる。

もし、ここで言ってることが実現したとしたら、、、
グーグル通貨が流通するネットリーチャブルな人と、全くネットと縁のない生活を送る人に二極化される。オンラインで公開されるドキュメント等をグーグルポイントとの交換で売る、というビジネスも成立するだろうし、通販の決済システムとしても利用可能だろう。

破綻が囁かれる円よりもグーグルポイントで、という世の中、あなたは想像できますか?

Posted by money at 2:03 AM | Comments (0) | TrackBack

February 7, 2006

ウェブ進化論

皆さんご存知、梅田さんの新著。本日発売。早速読了。

ネットの、今現在を中心とした過去〜未来の約10年を総括し、俯瞰するという点で絶好の好著。
「あちら側」「こちら側」という視点の対比がとてもわかりやすい。

1つだけ、印象に残った一節を挙げるとするならば、

「半導体に飛びついて電子立国・日本を達成し、PCにも飛びつき巨大なPC関連産業を日本にもたらしたのに、なぜインターネットには飛びつけなかったのか?」

この業界人に限らず、みんな読むべきです。
アマゾンが本屋であることはかろうじて知ってたけど、グーグルは知らんかった、(インターネットは一切やらない、携帯も持たない)父に勧めてみたいと思った本でございました。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる梅田 望夫

筑摩書房 2006-02-07
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アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから 電波利権 シリコンバレーは私をどう変えたか―起業の聖地での知的格闘記 Strategic Dynamics: Concepts And Cases Joel on Software
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January 31, 2006

ドラッカーの遺言

さくっと読了。
といっても、日本の出版社によるご本人へのインタビューをベースに、ドラッカーの言葉を抜き出してならべたものなので、コンテンツそのものはとても短い。よって、数あるドラッカーの著書は大作ぞろいでちょっと手を出すのに躊躇してるような方でも気軽に手がでるのではないでしょうか。

もちろん、全編ドラッカー節満載なので、文章が短いことと、わかりやすいことは違います。含蓄あふれる20世紀の知の巨人と謳われたドラッカーの日本人への最期のメッセージです。

帯にもあるように、日本人、全員読め、と言える一冊。

ドラッカーの遺言
ドラッカーの遺言P.F. ドラッカー 窪田 恭子

講談社 2006-01-20
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ドラッカー 365の金言 あなたにめぐり逢うまで―ドラッカー博士を支えた妻の物語 「新訳」創造する経営者 テクノロジストの条件 ガルブレイス 闘う経済学者 (上)

Posted by money at 11:10 AM | Comments (0) | TrackBack

January 29, 2006

千円札は拾うな。

千円札は拾うな。
安田 佳生

4763196804

関連商品
社長力の真実 袋とじDVD付
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差をつける住宅セールス 絶対に「家」を売ってはいけません―これが上手なセールス話法の実例!
稼ぐ人の「答力」 頭ひとつ抜けるオンリーワン養成講座
脱★ドンブリ経営
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短いので早速読了。
印象に残ったのは、

自分の給料を下げるために努力せよ


というもの。

どういう意味か、というのは買って読んでください。読んで損はしません。

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January 28, 2006

Books

オフィスに寄ったついでに、八重洲ブックセンターにて。
まずは、気になってた、今日のお目当て。

千円札は拾うな。
千円札は拾うな。安田 佳生

サンマーク出版 2006-01-20
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社長力の真実 袋とじDVD付 採用の超プロが教える伸ばす社長つぶす社長 差をつける住宅セールス 絶対に「家」を売ってはいけません―これが上手なセールス話法の実例! 稼ぐ人の「答力」 頭ひとつ抜けるオンリーワン養成講座 脱★ドンブリ経営

なぜか、この人の本はいつも買っちゃいます。

で、これで終わるはずが、近くに置いてあったので思わず手が伸びたこれ。

スティーブ・ジョブズ-偶像復活
スティーブ・ジョブズ-偶像復活ジェフリー・S・ヤング ウィリアム・L・サイモン 井口 耕二

東洋経済新報社 2005-11-05
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レボリューション・イン・ザ・バレー―開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏 スティーブ・ジョブズの再臨―世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活 ザ・サーチ グーグルが世界を変えた The Cult of Mac Mac OS進化の軌跡―パーソナルコンピュータを創ったOSの実像

やはり、ディズニー社長の半生記は気になります。(って、違う)

そういや、似たようなジョブズの人間像を表すものに、バトル・オブ・シリコンバレーというノンフィクション風の映画がある。(アマゾンにはないみたい。僕はツタヤで借りた)
これは、まさに、ジョブズ、ウォズニャック率いるアップルと、ゲイツ率いるマイクロソフトの若きころの闘いを映像化したもので、感心するほどのそっくりさんをつれてきて映画にしているので、とても楽しめる。
で、その映画では、若き日のジョブズは、とても嫌な奴、という人物像で描かれている。もちろん、今の年齢の(しかも、一度アップルを追い出され、再び救世主として戻ってきて見事に立て直したという経歴を樹立した)ジョブズと、その映画の舞台となっている、マッキントッシュの開発をしてたころのジョブズを比べるのは筋違いだとは思うが、そういう意味で、この本はとても楽しみなのである。

といっても、実際に読めるようになるのはいつのことやら。(はい、私は積ん読家)

Posted by money at 1:01 AM | Comments (0) | TrackBack

January 25, 2006

社会人向け数学の教科書

大学数学へのかけ橋!『高校数学+α:基礎と論理の物語』トップページ
〜 via オレンジニュース

まだ1章読んでる途中ですが、とてもわかりやすくていいです。全部ダウンロードして無料で読めるなんて。。。すんばらしい。

Posted by money at 11:30 AM | Comments (0) | TrackBack

January 21, 2006

適者生存

4344404343適者生存―メジャーへの挑戦
長谷川 滋利
幻冬舎 2003-09

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今日は、風邪で体調を崩していたので、1日家でおとなしく読書してた中で読了。

自分は超一流ではない、と自己分析する著者がいかにして、日本のプロ野球に適応し、自分の夢をかなえるべく海を渡り、メジャーリーグで適応して行ったかをつづった半生記。

今や、メジャーリーグでクローザーとしての地位を確立した著者が冷静に自分の能力、長所を分析し、その時々に応じて自分を適応させていったことがよくわかる。

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January 12, 2006

初対面の挨拶は、「靴のサイズはいくつ?」

博士の愛した数式
博士の愛した数式小川 洋子

新潮社 2005-11-26
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純文学な作家が書いたとは思えない数学をネタにした小説。物語を覆う雰囲気はまさに「阿弥陀堂だより」なんだけど、博士のキャラクタからか、数学的話題にも不自然さはない。
天才!柳沢教授の生活が好きな方、買ってよし。


そういえば、スキップ、ターン、リセットの例のシリーズにも似たような雰囲気があるような気が。。。
なにはともあれ、阪神タイガーズ万歳!

Posted by money at 12:01 AM | Comments (0) | TrackBack

January 8, 2006

December 31, 2005

Joel on Software

Joel on Software―ソフトウェア開発者、設計者、マネージャ、それに幸か不幸か何らかの形で彼らと働く羽目になった人々が関心を抱くであろう、ソフトウェア、並びに往々にしてソフトウェアに関連する諸所の問題についてJoel on Software―ソフトウェア開発者、設計者、マネージャ、それに幸か不幸か何らかの形で彼らと働く羽目になった人々が関心を抱くであろう、ソフトウェア、並びに往々にしてソフトウェアに関連する諸所の問題について
Joel Spolsky 青木 靖

オーム社 2005-12
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やっぱり、いいですねぇ。
Webで読んでて、書籍化されたとたんに、原書を買い求めましたが、やっぱり邦訳版も買いました。
うんうん頷いたり、ニヤリとしながら読んでます。

ソフトウェアで飯食ってるやつ、全員嫁、と思うが、本来読むべき、いや、読んで欲しい人間は、ソフトウェアで飯を食ってる、という自覚がないので絶対に読まないと思う。
「俺はソフトウェア屋じゃないもん。PM屋だもん」という連中が実は一番ソフトウェア開発プロジェクトには有害のような気がする今日子のゴロ。

きっと、「これを読んどけば、あなたのエンジニアとしての市場価値が○○円アップします。」みたいなマーケティングが必要なのかも。


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November 8, 2005

公式マインドマップ本

ザ・マインドマップ
4478760993トニー・ブザン 神田 昌典 バリー・ブザン

ダイヤモンド社 2005-11-03
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考案者ブサン氏による公式解説本を発見。
前に出た,
記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術
ウィリアム・リード
4894511991

と同様、前編カラー印刷で、ぜいたくな装丁です。
とりあえず、1冊もっとかんと、と思いげっと。

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August 28, 2005

文房具を楽しく使う

4152085827文房具を楽しく使う 〈ノート・手帳編〉
和田 哲哉
早川書房 2004-07-22

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先日、手帳を刷新した話を書いたが、それ以来、手帳だけでなく、微妙に文房具に目が行くようになった。これまでステーショナリーと言えば、会社に用意されている消耗品を適当に使うだけで用を足していたからであるが、今はテンポラリ的にいろんな客先を常駐、ハシゴする身になり、その辺の必要なステーショナリーは自前で用意しないと不便で仕方がない、という事情によるものでは、ある。
そうなると当然、「文房具が趣味!」な方々のブログを漁るようになるのだが、そんな中で見つけたのが、ステーショナリープログラムという、「 機能とデザインにすぐれた文房具をテーマ」にしたサイトで、このサイトのオーナーの書かれた文房具な本がこれ。
今回は「ノート・手帳編」と謳っているとおり、文房具の中でもメモ帳、手帳、ノートに絞って著者なりの商品を選ぶ視点だとか、お気に入り商品の紹介、さらに一歩踏み込んだ使い方などを紹介したもの。もちろん、筆者も書いているように、この世界はある意味試行錯誤の連続であり、常にブラッシュアップしてくものではあるが、積み重ねられた経験と考察の結果としてとても参考になる。また、筆者が優しく語りかけてくれるような文体でもありとても読みやすい。これを読めば、次に文房具コーナーに立ったときの商品に対する視点が少し変わってるかも。

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June 9, 2005

社長失格


社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由 板倉 雄一郎

まだ学生だったころ、とある衝撃的な本を読んだ。本書でも何度か紹介されている、シリコンバレー・アドベンチャー―ペン・コンピュータに賭けたぼくたちの会社創造ゲーム ジェリー カプランがそれだ。数多くのITベンチャーが生まれては消えていくかのシリコンバレーを舞台にした、とあるITベンチャーの栄枯盛衰を創業者自ら記したものだ。著者は、GOというペン入力コンピュータ(後のニュートンとかの手書き認識PDAのハシリ?)を実現すべく、会社を立ち上げたが結局大企業に吸収されることで幕を閉じる。
当然今の社会人としてのモノの見方と当時の学生だったころとは違うが、当時はノンフィクションだとはわかりつつもどこかしら、海の向こうの夢物語を読むような感覚で楽しめたことが記憶としてある。

その本と同じように、ベンチャーを立ち上げ、絶頂まで登つめ、最後には倒産という、似たような道筋をたどった日本のベンチャーの社長がその過程を記したのが本書である。
実は、本書は発売当初から本屋で平積みされているのを見かけていたのだが、なぜかこれまで手に取ることはなかった。それが、何かの拍子に、著者の現在のウェブサイトにたどり着き、ここに蓄積されているブログ(?)エントリのすべてに目を通し、さらに、ほぼ日の連載も読んだ挙句、ようやく原点となる本書にたどり着いた、というわけである。
ベンチャーの起業も投資も盛んなアメリカでは、投資とはあくまでもリスクのある出資であり、ビジネスがダメでもそれだけであるのに対し、日本では、経営者個人に負債として保証を負わせ、失敗したが最後、再起不能になってしまう、日本独特な(?)ハイリスク、また成功したらしたで、成功者に対する嫉妬ややっかみが渦巻く社会、チャレンジや成功に対する敬意が薄い社会。
この2冊を読むと、日米の社会システムの違いを意識せずにはいられない。そのような中でも上述のウェブサイトを見ればわかるとおり、見事に復活を遂げた筆者にこそ、日本のベンチャー育成、アントレプレナー育成という大きな政策課題に取り組んでいただきたい、と思うのは私だけでないはず。ベンチャーを志している方のみならず、ビジネスに携わるすべての方にお勧めしたい良書。一旦読み始めると、途中で止まらなくなるので、たっぷり時間を確保してからどうぞ。さもないと私のように、気づいたら朝だった、ということになっちゃいます。

何はともあれ、ベンチャーに飛び込む前に本書に、そして板倉雄一郎氏に出会えたことに感謝。いつか直接お会いできることを祈願して。

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May 16, 2005

鉄道というフォールトトレラントシステム

Amazon.co.jp: 本: 定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?

今回のJR福知山線の脱線事故の翌日に発売されたとあって、よすぎるタイミングに話題のこの本。とある本屋で平積みになってたのを見つけて手に取った。

今回の事故に関する報道で指摘されている秒単位うんぬんという話の背景と、日本の鉄道がそこまで到達することができた歴史的背景も語られ興味深い。
本書を読めば、鉄道事業というものが1つの巨大なフォールトトレラントシステムであり、ダイヤは乱れることが前提であり、それを如何に素早く回復させるかが全てであることがわかり、得るものは大きい。システム開発、運用担当者は必読ですぞ。

でも、新しい路線の新設工事に着工する前に運行ダイヤをまず作る、という事実には驚いた。いつも疑問に思っていたのだが、システム開発を行うにあたって、運用イメージを確立させておくことが重要だということを再認識させられた。

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January 31, 2005

Joel on Software

今日届いた、software development誌で知りましたが、Joel on Software
書籍化
されてたのね。邦訳を待つか、それとも買っちゃうか。

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January 20, 2005

[メモ]ソフトウェア企業の競争戦略

「ソフトウェア企業の競争戦略」読書感想文1
〜via marsのメモ

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November 8, 2004

ガギグゲゴ


怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか

土曜の夜、テレビを見てたら、この本の著者さんさんが出てて、芸人相手に講義をしてた。その中でこの本の紹介があり、早速夜遅くまであいてる近くの本屋に走るも見つからなかったのがこの本。今日、昼休みにもう少し在庫の豊富な本屋で捕獲してきました。当然ながら、まだ読んでませんが。。。

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November 5, 2004

素数に憑かれた人たち〜リーマン予想への挑戦〜


素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~

その昔、今や東海大学の教授をされている秋山仁先生のプロフィールを読んで、若いころに4色問題を解くことに情熱を燃やしておられたことを知った。数年後、世紀の難問と呼ばれたフェルマーの最終定理が解かれたことが新聞でも報道されているのを知った。そして今、数学界でホットな難問といえば、リーマン予想と呼ばれるものである、という程度は知っている。でも、リーマン予想って何?って聞かれると何も応えられない、という人は僕も含めて一般人にはとても多いはず。
そんな人の疑問を解消してくれる(に違いない)ものがこの1冊。著者の前書き曰く、「これはリーマン予想を世界で最も簡単に(つまり、初歩的な数学の知識だけを使って)解説したものである。これを読んでリーマン予想が理解できなければ、あなたは二度とリーマン予想を理解できないだろう」と。
といっても、高校数学〜大学数学初歩レベルを要する(微分積分を使わないで説明することにチャレンジしたが、それはあきらめたらしい)とのことなので、理系出身で、数学から遠ざかってるあなた、おひとついかが?

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July 26, 2004

松紳

松紳 島田 紳助 (著), 松本 人志 (著)
相変わらず、お二方のやりとりのテンポが気持ちいい。
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July 3, 2004

June 12, 2004

すげー

すごいです。 このまさに思いつきのようなタイトル(本当に思いつきらしい)から、繰り広げられる日本文化論(?)。 以前に、どっかで山形浩生氏が、橋本治のことを誉めてた文章を読んだことがあるんだけど、そのときは、「え?あの桃尻娘を書いた人?」と正直思ったんだが、山形氏が絶賛するのがちょっぴり分かったような気になれました。中身的には、結構飛躍っぽい(? 僕はあんまり違和感なく読めた。)ところもあるんだけど、それも気持ちいい飛躍として読めたのも大きい。

上司は、自分よりも経験もあるし、いっぱい給料もらってるし、自分よりも有能で当たり前だ、という前提条件と現実とのギャップに悩んでる方(僕もその一人)に読んでいただきたい一冊。なんだ、上司をバカにしてもいいんだ(うそ)。

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April 17, 2004

理想の上司と部下

重大事件に学ぶ「危機管理」の教訓72 文春文庫 佐々 淳行 (著)を読了。
国家安全保障の要職を歴任してきた著者によるリスクマネジメント論。さすがに国家規模の様々な危機に面し指揮をとってこられた方だけにとても重い教訓が次々と放たれる。特に「組織力を発揮する」という点の氏の考えは組織に属すものとしては必読ものである。
本書に繰り返し登場する人物に、氏が尊敬する上司、後藤田正晴氏、その人である。世間では、カミソリ後藤田と恐れられた中曾根内閣の官房長官である。中曾根内閣で創設された内閣五室制度発足の場で五室(内政審議室、外政審議室、安全保障室、情報調査室、広報官室)の各室長に対して与えられた「後藤田五訓」は、ソフトウェア開発プロジェクトという組織はもとより会社という組織に属するものとして知っていて損はない。
・「省益を忘れ、国益を想え」
・「悪い本当の事実を報告せよ」
・「勇気を以って意見具申せよ」
・「自分の仕事でないと言うなかれ」
・「決定が下ったら従い、命令は実行せよ」
こういう当たり前のことを言える上司に仕えることができた筆者は幸せである。
また、後藤田氏が会議嫌いだった、というエピソードを語る中で、スタンドアップミーティングを実行してた、というくだりがあったが、知らず知らずにXPを実践してた、ということだ。
なお、本書で、扇元国土交通大臣を見直しました。実はリーダシップがなんたるかがよく分かってる人だった、ということが分かりました。

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April 12, 2004

修行僧

キャッチボール―Ichiro meets you イチロー (著), 「キャッチボール ICHIRO meets you」製作委員会 (編集), 糸井 重里
イチロー選手と糸井さんの対談をそのまま活字にしたもの。エッセンスはほぼ日の特集にまとめられているんだけど、これを読んだ人でも買ってもいいんじゃ?

で、この中でのイチロー選手の印象は、野球という世界における修行僧。常に自分を客観的にみつめ、自分の信ずるままに、自分が理想とする結果を得ることに全力をかける。首位打者の成績を残していようが、チームが優勝していようが、自分の描いているイメージのバッティングができなけりゃ、それはスランプだと。こういう仕事人的な考え方、けっこう好きです。
先日、職場の同僚にこう指摘された。「moneyさんは、技術的な議論になったり、エンジニアとしてこうあるべき、という話になるとガチンコでむちゃくちゃ厳しいのに、それが交渉事とか人間関係とかって話になると、途端に優しくなる。なんでそこでぶち切れないんだ?」と。
僕がエンジニアに対して厳しいのは、同じ「コンピュータで飯を食うプロ」としての敬意を表してのことです。例えば自分以上のキャリアを持った人には容赦しません。少なくとも自分よりも経験年数が多い以上、自分よりもスキル、知識、経験、洞察力において優れているという前提で接します。手を抜く、あるいはどうせわからないだろうから、と技術レベルを落として接するのは失礼だと考えるからです。でも、いったん技術を離れると、そこまで強くいえないんだよなぁ。 なんでだろう?まだまだ私自身、精進が足りませぬ。

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April 6, 2004

ソフトウェア・ピープル Vol.4

先日、用事があって、吉祥寺から井の頭線で渋谷に向かっていたときのこと。ちょうど昼休みにオフィスそばの本屋で調達したこの雑誌を何気に開いた。特集の1つめは、要求工学に絡んだ話で、ぱっとページを開くなりエクセルの画面が目に入ったので、ひとまず後回し。特集2に、「ソフトウェア開発で幸せになれる人、なれない人」というタイトルが目に飛び込み、「こりゃ、新人用研修のネタにでも」と思いながら読んでいた。そこへ途中の駅から乗ってきた見るからに新入社員らしき女性3人ばかしが僕の隣に座った。彼女たちは、その日の研修でもらったのであろう、なにやらコピーを開いて3人して同じものを読んでいる。そこからしばらくして異変に気づいた。何気なく、隣に座ったその新人さんの手元を見た。なんと、今自分が開いている雑誌と同じ記事ではないか。さては、こいつら、技術系の会社の新入社員。で、講師が「読んでおきなさい」とか言って本記事のコピーを配布した。そして今、それを読んでいる。という演繹推論が0.037秒の間に僕の頭の中で処理された。その直後、僕のCPUから発せられた命令は、「雑誌を閉じる」というものだった。なんで、ちゃんと雑誌を買って読んでる奴が、コピーを回し読みしてる奴に遠慮せにゃならんのだ?と憤慨しながら僕は眠りについた。 さて、研修用のネタ、さがさにゃぁ。

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March 30, 2004

Domain Driven Design

あらゆる場所で絶賛されていたので早速アマゾンから取り寄せました。
Domain Driven Design: Tackling Complexity in the Heart of Software
Eric Evans (著), Martin Fowler (著)


ファウラー氏による前書きから気に入ったことば。


If you're trying to add automation to complicated human enterprise, then your software cannot dodge the complexity -- all it can do is control it.


なんか、チャーチルの演説(つーか、Aces Highのオープニング)の言葉を思い出してしまった。

We shall go on to the end, we shall fight in France, we shall fight on the seas and oceans, we shall fight with growing confidence and growing strength in the air, we shall defend our island, whatever the cost may be, we shall fight on the beaches, we shall fight on the landing grounds, we shall fight in the fields and in the streets, weshall fight in the hills; we shall never surrender.



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March 17, 2004

そんなん、あり?

作者の構想がふくらみ、新聞連載による完結が不可能になりました

その作者の膨らんだ構想(妄想?)こそ、読者が読みたいものなのに。。。 って、わたしゃ、この連載読んでませんが。

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週刊文春

今朝のニュースで話題になってた、出版前の販売指し止め命令という異例な決定。でも、どうやら、決定が下ったのが遅かったため、雑誌の出荷には間に合わず都内コンビニ等で販売されている可能性が高い、各書店の判断に委ねられる、とのこと。へぇ、と思ってテレビを消して出社してたら、途中のコンビニで発見!思わず購入。 で、その内容は、、、全然たいしたことなかった。 販売指し止め命令も使いようによっては宣伝効果抜群、ということで。
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March 5, 2004

books

Springフレームワークってやっぱりまだ文献は少ないなぁ。日本語版までは期待してないけど。
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February 20, 2004

白石一文(ネタばれ?)

僕のなかの壊れていない部分 白石 一文著
久しぶりに本屋でこの名前が目に止ってそのままレジへ。なぜかハードカバーが3種類平積みにしてあった中からとりあえず選んだのがこの本。僕がこの作家の名前を知ったのは、もう5年ほど前だろうか。彼のデビュー作「一瞬の光」がたまたま目にした朝日新聞の書評欄で取り上げられていたからだ。書評からは、エリートビジネスマンとしがないキオスクの店員という社会的につりあわない2人の恋愛小説として紹介されてはいたが、それよりも物語の背景やビジネス関連の描写のリアリティを誉めるような内容だったように記憶している。まぁ、ただの純文学恋愛小説だったら僕が本屋で手に取るはずがないので、おそらくそういうことだ。さて、内容は、上記のとおりだが、そんな一言では片付けられない大きなテーマが根底に流れているとてもしっかりした物語だったが、少なくともこれだけは言える。「僕のキャラクターからして、この本を読んでる姿は誰にも見られたくない。」ってところかな。まぁ、お勧めではあります。今なら文庫に落ちてるし。といっても、とある人に一度貸したところ、話が難しくて途中で挫折しました〜という一言とともに返ってきた。まぁ、おまえにはこの本のよさはわかんねぇよなぁ、とは思ったが。そんな、とても悲しいハッピーエンド。
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February 4, 2004

books

昼休みにオフィス近くの書店にて。


  1. あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編

  2. 実用企業小説 プロジェクト・マネジメント

  3. 経済学という教養


[1]は、ここにある記事の中のブックレビューを見て気になったので。[2]は最近一番の興味の対象かなぁ。[3]はHot Wiredでの連載から。

と思ったら、HotWiredの連載記事は、もう手繰れなくなってました。やっぱり、読みたきゃこの本を買えってことかな?

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February 3, 2004

成功者の告白

成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語
脱サラして起業してから5年間の間に体験することになる様々な障害(地雷と本書では呼ぶ)はいつふりかかってくるのか、どうやってこれらから会社を守り安定成長に持っていくかを小説仕立てにしたもの。詳細は触れないが、起業だけではなく、組織を育てるとはどういうことか、という点で我々リーマンにも得るものは大きい。組織はどうあるべきか、という一般的な組織論は数あれど、組織の成長の過程を時系列に俯瞰できる数少ない好著。ビジネス書のはずなんだけど、涙なしでは読めない。これはまさに「宇宙からのギフト」である。でも、清水一行とかの経済小説を期待すると、内容が薄っぺらいと感じる可能性が高いのでご注意を。
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January 22, 2004

ヤコブソン OOSE本

いつの間にやら、復刊してたらしい。でも、受注生産で8000円はちと高いなぁ。でも、昨今の詰まらん本2冊買うぐらいなら安いか。それだけの価値はあるかも. 以前に、こちらでも取り上げた良書でございます。
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January 15, 2004

インフレターゲッティング

最近、経済学の周りがにぎやかだ。やれエコノミストミシュランみたいな経済学者の格付けみたいなものも出てくる始末。コンピュータ学者のは出てこないと思うが。 僕が、「インフレターゲット」に出会ったのは、極私的FAX通信プロパガンダで有名な藤巻健史氏。彼の著書である外資の常識がそのきっかけである。当然ながら経済学に疎い一般ピーポーとしてインフレは悪い、デフレはもっと悪い、スタグフレーションはこの世の終わりぐらいに叩き込まれた(中学のときの公民で。なお、このときの社会の先生に、『数年に1度行われる、衆議院選挙といっしょに実施する最高裁判事の国民審査は、戦後一度も判事をクビにしたことが無い形骸化した制度だ。この制度を生かすためにも、全判事に×をつけるべし』と教えられた)記憶があるので、眉に唾つけて読んだが、読み終わって「インフレ、いいんでないの?」と思わせてくれた好著。(これが正しいかどうかは別。)その後も本家本元クルーグマンの著書を読んだりして「インフレいいんでないの?政府はなんでやんないの?」と思うようになった。でも、やっぱり今の日本経済には、劇薬であり、有効かも知れないが一歩間違うと壊滅、という批判が絶えない。で、本書は、批判派側の本、らしい。クルーグマンの本を読んでると正しいこと言ってるのでは?と思わせてくれるが、同時に、これをやり遂げるだけの度胸と信念の携わった政治家なんてこの国にはいないだろう...というあきらめに似た心境になるのも事実。さて、これから先どうなるんでしょう?
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January 7, 2004

コンピュータの名著・古典100冊

本日、アマゾンから職場に到着。パラパラと眺めていると、確かに、名著、古典、必読と思しき文献のオンパレード。なんだけど、ちょっとラインナップが古すぎやしませんか? 確かにタイトルに古典とあるから文句は言えんが。あくまで、これからコンピュータサイエンスを学ぶ高校生、及びコンピュータサイエンスのコースに学ぶ学生向けであって、会社の開発の現場で部下や後輩に読みなさい、と言える類の本は少ないような印象を受けた。正直、このレベルの本を職場では薦められません。誰が、「ゲーテル・エッシャー・バッハ」を会社で部下に進めるよ?いい本だけど。これってのは、薦めるべき人間は、すでに読んでる、読んでない奴には薦められないという類の本。高度すぎ。

ってことで、『仕事に役立つ! ソフトウェアエンジニアを作る100冊』をやってみたいと思います。お勧め本がございましたら、コメントなり、トラックバックなりしてくださいまし〜。

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October 27, 2003

月刊BOSS 2

月刊BOSS
今月号の特集は、ビートたけし氏兼北野武氏。折りしも興行的に成功した「座頭市」を受けてのもの。これまでの北野映画との今回との違いとか、お笑い芸人としてのビートたけし氏と映画監督としての北野武氏との対比を面白く論じている。確かに、今回の座頭市は映画としてエンターテーメントとしてとても分かりやすい作りになってたのは印象的だった。また、こういう論調によくあるものとして、北野氏の監督としての才能とかセンスとかを称えるものが多いんだけど、昔なにかの番組でたけし軍団の1人であるそのまんま東氏が、「みんなで飲みに行って帰ってくると普通は、また飲みなおすとかそのまま寝ちゃうんですけど、殿(北野監督)は、1人で本読んで勉強してるんですよ。」と言っていたのを思い出して、何かをやり遂げる人というのは、例外なくちゃんと見えないところで確実に努力をしてるんだと再認識。
何気にこの雑誌、最近けっこうお気に入り。このまま勢いを衰えさせないで欲しいと思う。

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October 10, 2003

リーダーシップの本質

リーダーシップの本質―真のリーダーシップとは何か 堀 紘一を読了。

この著者は、昔「朝まで生テレビ」によく出てたときに、当時の社会党の委員長(だったっけ?)の山花貞夫(やまはなさだお)氏をいつも「やまばなさん」と言ってたので、「こいつは、人の名前もまともに言えんのか?」と思ったこともあってあまり印象はよくないんだが、さすがにこういう話をさせると逸品。BCG(注射ではない)を引っ張ってきた人だけに、数多くの企業トップとの交流の中から培った氏ならではの、リーダーシップ論。

いつぞや、僕が自社の上司に訴えたことと同じような話が。


企業の成長が止まる。成長が止まれば売上も伸びず、収益構造は悪化して減益になる。収益があまり出ないから、社員が新しいことに挑戦したいと申し出ても、積極的に勉強したいと考えても、新たな投資には消極的になり、コストを切り詰めようとする傾向が強くなる。

ちなみに、うちは、1杯80円のカップコーヒーが無料から有料になりました。(笑) スポーツジムの法人契約も打ち切りになりました(合掌)。
別に、コーヒーをただにすればいい、という話ではなくて、その程度の改善案しか出てこない、という点が情けない。もちろん、新しいビジネスモデルの話を持っていってもリスクを取るようなことはしないから、はじめから取りあってくれない。とにかく守りに徹する姿勢がありありと見て取れるからこっちまで情けなく思えてくる。何も考えずにこれまでやってこれた方々だからどう対処していいのか分からない、というのは分かる(それじゃだめだって?ごもっとも)んだけど、もう少し尊敬に値するリーダー像を見せてくれると嬉しいなぁ、なんてことを考えさせられた。同時に、どうやって彼らを動かすのがいいのか、を考えるのが僕の仕事なのかもしれない。あれ?僕はエンジニアだったのでは?

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October 1, 2003

ドットコム仕事術

ドットコム仕事術 大前 研一
大前研一らしい、ビジネス啓蒙書。このセンスのないタイトルを一見すると、なにやら恥しい思いをするような1冊ではではあるが、タイトルは、この筆者なりの売れるためのキャッチコピーであるとわりきるべきである。本質はタイトルとは関係ない。
まぁ、早い話が、仕事をこなす上で、こういうところに気をつけてこんな風に考えてみろ、という本である。「へぇ」と思うものもあれば、「何を今さら。そんなこと、誰でも考えてることやないか」というのもある。トータルとして、読んで損するということはない。「商談における雑談に『プロ野球』ネタはやめなさい」というのもあったが、バカ正直にプロ野球ネタはだめなんだ、ではなく、話題のネタであれ、なんであれ、モノは使いよう、という本質を見失わないで読むべし。
本書の中で、今世紀最高の経営者としてジャックウェルチの人となりを紹介する一節、


ウェルチ氏は社員の能力を開発し、適正を見極め、適所に配置する「人を使う達人」であり、一方で役に立たない人材は情け容赦なく解雇する強靭な神経を持っていた。今、事務用品や電気の節約ばかりに気を取られている経営者が増えているが、人材を開発し、雇用の無駄を排除するという生産性の根本的な向上に、彼ほど執拗に取り組んだ人物はいない。

はもっとも。日本の会社って、こういうタイプの経営者というか管理職は少ないように思う。みんな考えてることが小さいし、目先につられて喋ってることがまざまざと見て取れる。と言っても、人に対し、真っ当な評価を下すだけの能力もなければ、それだけの度胸もない。そんな教育受けずに、偉くなった方々だもん。いきなりそんなことやれって言っても無理だって。だから早く退いてもらわないとなぁ、と思ったりもする。日本の会社では、ジャックウェルチも大前研一も育てられない。

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September 25, 2003

BOSS

月刊BOSS
小沢一郎特集につられて購入。
キングメーカーだ、闇将軍だと何かと世間の評価が低い小沢さんですが、この人ほど日本の将来について明確なビジョンを持ってる政治家っていないと思ってます。本特集での焦点は、今日締結された民主党、自由党の合併話ですが、この人の論点は、10年前の著書、日本改造計画で訴えてたこととちっとも変わらない。もっとも、日本は10年前から何も進歩してない、ってことにもなりますが、「失われた10年」とも申しますし。

小沢は言い切った。「この日本に二大政党制、真の議会制民主政治を実現させる。僕はレールが敷ければ後は、囲碁でもやってのんびりします。」と。

やっぱりこの人は縁の下の力持ちこそが似合う人であって、決して表舞台に出てくるべき人じゃない。人には持ち場というものがある。自由党が失敗したのは、影武者として優秀な人材を看板にしてしまったこと。これからは、官直人という看板を手に入れた小沢一郎の本領発揮に期待したい。

なんて、Hide氏の真似して政治ネタでした。

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September 11, 2003

四季 春

四季 春 森博嗣
著者のデビュー作、すべてがFになるで強烈な印象を残した天才科学者 真賀田四季の幼少期に迫る物語。その他にも森ミステリィお約束の複線とも言える登場人物にも出会える。S&Mシリーズを読んだ人であれば必読もの。
ちなみに、僕は、S&Mシリーズは読破できてなかったりするんだが。どっちかというと、森さんの書くフィクションよりも日記とかノンフィクションの方が好みだったりするんだが、ひょっとして少数派?

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September 9, 2003

プラネタリウムを作りました。

プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星
大平 貴之 (著)

きっかけは小学生の時に夜光塗料を塗った紙を小さく切って部屋にオリオン座の形に貼り付けたことから始まった。
この物語は、私と同じ年の、自分の部屋で星空を眺めたいと思った少年が20年もの歳月をかけ、ついに世界一のプラネタリウムを個人の手で生み出すに至った半生を自分の手で綴った壮大なプロジェクトXである。
著者曰く、「僕はエンジニアだ。そしてプロだ。エンジニアとは、プロとは何だろう。技術を持っていることだろうか。いくら高度な知識や技術を持っていても、人の役に立てないようではただの独りよがりにすぎない。プロとは、与えられた条件の下で最善の結果を出せる者のことだ。自分の持つものを、いかに世の中が期待する形で提供できるか。それこそが重要なのだ。」
♪風の中のスバル〜  砂の中の銀河〜♪

理系離れが叫ばれる中、将来の技術立国を担う小中学生に読ませたい一冊。

エンジニア諸君、買ってよし。

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会社はこれからどうなるのか

会社はこれからどうなるのか 岩井 克人 (著)
日本がわが世の春を謳歌している80年代、アメリカは不況にあえいでいた。ジャパン・アズ・ナンバーワンとのたまい、浮かれている間、アメリカは必死に日本の企業を研究し、自らの構造改革を進めていた。そのアメリカが不況から脱出し、史上に類を見ない大好況を謳歌した90年代、日本は未曾有のバブル後にあえぎトンネルの出口を見つけられないでいた。そうして21世紀になり、日本は未だに見つけられないトンネルの出口を捜し求めている。一方、アメリカはエンロン、ワールドコム事件を筆頭に企業統治のあり方を再考しつつある。(うちの会社は、世の中に遅れること10年、ようやくバブルが崩壊した模様。)
さて、日本型企業と米国型企業、会社とはどうあるべきか?そもそも会社は誰のものか?いや、会社ってなんぞや?という疑問に答えてくれる好著。日本企業の構造を往年の資本主義に最適化された組織構造と位置付け、現在のポスト資本主義には向かない組織構造であることを指摘し、ポスト資本主義の現在、会社とはどういう存在であるべきかを述べる。
曰く、
人間が創意と工夫を必要とする仕事を内発的に行うためには、中央集権的な階層組織ではなく、自由で独立した環境が不可欠です。(中略)具体的には、仕事の内容を自主管理に任せるとか、指揮系統を水平的にするとか、自由裁量的に使える予算をつけるとか、外部の人間との知的交流を促すとか、勤務時間をフレキシブルにするとか、オフィスを居心地の良いものにするとかといった、いわゆるソフトなインセンティブが重要になってきます。(言い換えれば、会社をアメリカやイギリスの大学のような組織にするということにほかなりません。(中略))
うちの管理職諸君、全員、スグに買って読め。

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August 24, 2003

週末起業

週末起業 ちくま新書 藤井 孝一 (著)を読了。

早い話が、


  • 終身雇用はなくなった

  • ビジネスを立ち上げろ!サラリーマン

  • でもいきなり独立開業はリスクがでかいぞ

  • そこで自分の趣味として休みを費やしても平気なネタでビジネスしなさい

  • バイトのような副業は時間、つまり人生の切り売りだから止めなさい

  • 本業を超える収入が得られるようになってからでも退職は遅くない


という感じ。
確かにそうなんだけど、ビジネスのネタが.....
文筆業って、時間の切り売りなんだろうか? 印税で入る額次第か。

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