2015年10月28日

矢勝川のヒガンバナ

シルバーウィークを利用して、「新美南吉記念館」に程近い矢勝川のヒガンバナを見てきた。
新美南吉の代表作「ごんぎつね」に、ヒガンバナの描写があり、地元の方々のご尽力により300万本が見ごろとなっていた。
ちょうど、娘が国語の授業で「ごんぎつね」を読んでいて、願ってもないタイミングだった。



「ごんぎつね」の作中では、狐のごんが、兵十の母の葬列をヒガンバナの影から見たとされている。
矢勝川は、兵十がうなぎを獲っていたとされる川で、小さな地蔵には、狐の置物が寄り添い、ごんの死を悼まずにはいられない。
  
   
僕も、4月に母を亡くし、墓参のため帰省した。
初めての彼岸がシルバーウィークとなった。
言葉は悪いが、僕が帰省しやすいよう、母が心を配ってくれたとしか思えない。
何から何まで完璧に気を遣っていた母。
僕もそんな生き方をしたいと思う。


生前の母は、書の雅号を持っていて、僕の名前を美しく書いてくれた。
すごくうれしかった。
だから、僕も誰かの名前を書くときは、下手なりに心を込めて書いている。

あと、母の味噌煮込みうどんは絶品だった。
僕が作り方を聞いたとき、母が教えてくれたのは、材料だけだった。
分量とか手順は特に言われない。
あとは僕が覚えている母の味を再現するだけ、というレシピだったのだろう。
正しいことを言ってはいるけれど、何とも酷いアドバイスだと思った。

それから何度も作った。
今では、僕が一番自信を持って作るのが味噌煮込みうどんである。
母が最後に食べたのも、僕が作った味噌煮込みうどんだった。
喋ることができず、喉の嚥下ができなくなった母が、一生懸命食べてくれたのは、僕に残したメッセージだ。
残る人生でこのメッセージを理解できるか。
理解するために、精一杯生きてみようと思う。

僕が実家を出て25年近く経ち、滅多に会えていない分、寂しい気持ちより精神的な絆が強くなった思いが強い。
ありがとう。
これからも、心の中からいろいろ教えてください。

Posted by suzuki at 00:59 | コメントはこちら(0)